アクシデント
[1/4]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
『ただいまより、全国女子高校野球選手権大会3回戦、音ノ木坂学院対熊大駒子牧高校の試合を行います』
2回戦をコールド勝ちに納めた音ノ木坂は翌日、秋葉ドームでの試合間近となる3回戦、準々決勝に挑んでいた。
「熊大駒子牧っていえば、甲子園夏連覇したところだよね?」
「私たちが小学生になったばかりの頃でしたっけ?」
女子で強い学校は男子でも優秀な成績を納めているところが多い。もしかしたら男女間で交流等があり、技術を吸収しているのかもしれない。
「花陽、肩は大丈夫か?」
「はい!!全然大丈夫です!!」
今日の試合も前日と同じオーダーとなっている。となると心配すべきは花陽の肩の疲労度だが、今のところは問題ないようだ。
「海未、早めの継投で行くから準備しておけよ」
「はい」
ただ前までの2試合を花陽は完投している。明日も準決勝、1日挟むとはいえすぐに決勝戦が控えているため今日の試合は花陽にあまり投げさせずに海未に頑張ってもらおうと考えている。
「よし、いつもの声かけやっとけ」
「よーし!!みんな集合!!」
ベンチ前に集まり輪を作る。穂乃果から順番に数字を言うと彼女たちはいつもの掛け声をした。
「音ノ木坂!!」
「「「「「ゲーム!!スタート!!」」」」」
「次も絶対に勝てる・・・か」
スタンドから試合を見下ろしているのはUTXの主将。彼女は現在行われているスコアを見て眉間にシワを寄せていた。
音ノ木坂 002 0
熊大 000
「相手のエラーとはいえ先取点を取り、その後の守備をキッチリと守り抜く。関東大会とはまるで別のチームだ」
短期間で信じられないほどの速度で成長していく相手に苦笑いをせずにはいられない。なぜこれほどの相手に次も勝てると確信を持てるのだろうか、英玲奈はその考えが頭から離れない。
「あら、ピッチャー変わったわ」
「まぁ、ここまで連投だからな」
直前まで別の球場で投げていたあんじゅがアイシングを終えてスタンドにやって来る。英玲奈はそれに応えると、2人に間に挟まれるように座っているツバサが大きくあくびをした。
「あれが監督の言ってた理由よ」
「音ノ木坂に勝てる理由・・・ってことか?」
言われてみればそうだ。音ノ木坂はここまで花陽1人で投げている。ここまでの投手起用を見た限りにこ、絵里を守備から外すのは危険と判断し花陽に頼り切るスタイルに移行したのは目に見えている。海未では到底上のレベルでは投げ抜けないことから彼女1人が投げ続けるとなるとどうしても体力が持たない。
「選手層の薄さがここで出るとはな」
「可哀想だけど、仕方ないことよね」
この大会初登
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ