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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
邯鄲之夢 2
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さながら神を降ろし、その声を聞く古代の姫巫女だろうか。
否、神そのもの。神聖不可侵な女神のごとき神々しさだった。
遠くで雷鳴がとどろいたかと思うと、急にあたりが暗くなった。晴天にぽつぽつと浮かんでいた薄い雲が集まり、増殖し、変色してゆく。
白から灰色に、灰色から鉛色、そして黒に。天に暗雲が垂れ込めた。
(おや?)
おかしい、いくらなんでも早すぎる。まだここまで変化するほど儀式は進んでないはずだ。
とうの京子からも困惑の気配が伝わってくる。
漆黒の空を切り裂くような白光が走り、ひときわ大きな雷鳴がとどろくと、風が強く吹き荒れ、大粒の雨が降り始めた。
地面を穿つ大量の水滴。南国のスコールさながらの暴風をともなった豪雨が。集まった人々を一瞬でぐしょ濡れにした。
「道姑どの、これはいささか強すぎませんか!? お手柔らかに!」
集まった文武百官のうちだれかがそう叫んだが声は雷鳴にかき消された。ちなみに道姑とは女性の道士をさす言葉で、ほかにも花冠という呼びかたがある。
「むこうにあたしより先に雨を降らせようとした呪術師がいるみたいっ!」
「ああ! しかし天候操作とはなかなかの実力者、なおかつこちらに対してあまり友好的とは言えない感じだなっ!」
暴風雨にかき消されまいと声を出すため、自然と大声での会話になる。
「このままじゃ嵐でみんな吹き飛んじゃうわっ、止めないと!」
「せっかく五龍祭で練った呪力があるんだ、そいつを使って相手の術を返せないか?」
「……やってみる!」
返事をするや、集中に入る。
相手は相当高い霊力の持ち主のようだが、あえて五龍祭で蓄積された呪力を使わずに自前の呪力で対抗することにした。
自前といっても京子個人の力ではない、如来眼の能力を発動させ、この地にあるエネルギーを貸してもらうつもりだ。
風水では起伏に富んだ山々を活龍や貴龍と呼んで貴ぶ。山の連なりは大地を流れる気そのもの、山脈すなわち龍脈(霊脈)なのだ。
この崖山の地形はまさにそれにあたる。京子は一時的に龍穴を開き、その身に膨大な量の気を取り込み、それを呪術に組み込んだ。
効果覿面。一進一退を繰り返していた呪術による攻防戦は龍脈の力を得た京子の圧勝に終わった。
「地より生まれし呪い、主の元に戻りて、燃えゆけ、変えゆけ、返りゆけ!」
呪を返したことで激しい嵐は宋ではく元の軍勢に反転して牙をむく。激しい風雨に沖に展開していた元の軍船が木の葉のように翻弄されるのが見てとれた。
それだけではない、こちらに手を出した相手に駄目押しの一撃をくわえた。
「都天雷公、飛雲震風、青雷赤気、上遊上穹、赤雷黄気、運雷帰中、黄雷白気、洞按九宮、白雷黒気、下遊元風、黒雷青気、運雷帰東、九天応元雷
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