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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
邯鄲之夢 2
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また水を運ぶ時は途中で休んだ場所に雨が降るともいわれ、人々は交代で昼夜をわかたず水を運んだ。
これと似た雨乞いの方法で水ではなく種火をもらってくるというものも存在し、もらってきた種火は水と同じく供えたり境内に撒かれた。
火を使った雨乞いには千駄焚きというのもあり、薪や藁などを丘や山の上に積み上げて大きなたき火をするのだ。これなどは巨大な火で空気の対流を起こすことで少なからず物理的な効果があるのではいだろうか。大規模な山火事のさいににわか雨が生じることは実際にある。
また雨乞い踊りというものもあり、氏神の社や山頂などでおこなわれた。祭り太鼓の音を雷鳴に模して雨を呼ぶというもので、これもまた類感呪術に属する。
閑話休題。
では陰陽道にある雨乞いというと――。
「五龍祭にするわ」
「なるほど、妥当かもな」
五龍祭。大陰陽師、安倍晴明の子である安倍吉平が神泉苑でこれを執り行い、みごと雨を降らせたとされる陰陽道に伝わる雨乞いの儀式だ。
「だが祝詞はどうする? ここには祭文を記した書物はないと思うぞ」
「なに言ってるの、全部ここに入ってるわよ」
人差し指でみずからの頭を指す。
「それはすごいな、あんな長いものをよくおぼえられたものだ」
「陰陽師ならそのくらい当然でしょ、あたしをだれだと思ってるの。倉橋京子よ」
自信と活力に満ち、溌剌としたバラ色の笑顔。
これが昔の少女漫画なら背後に花が咲き乱れる演出がなされたことだろう。そんな華やかな笑みに思わず見とれてしまう。
もうなんども見てきたが、そのたびに心奪われる。この極上の笑顔が自分にむけられている喜びと幸せをあらためて実感した。
「失敗したら俺の首が飛ぶんだ、頼んだぞ」
「まかせてちょうだい!」
こうして雨乞いの儀式を執り行うことになった。
「――元柱固真、八隅八気、五陰五龍、陽動二衝厳神、害気を攘払し、四柱央神を鎮護し、五神開衢、悪鬼を逐い、奇動霊光四隅に衝徹し、元柱固具、慈雨を得んことを、慎みて五大龍神に願い奉る――」
切り立った崖の上に作られた祭壇を前にして五龍に祈り願う祝詞を唱える京子。少し離れた後ろには秋芳の姿が、さらにその後方には陸秀夫、張世傑をはじめとする文官武官。武装した兵士たちの姿があった。
雨が降らなかったり、おかしなまねをすればすぐにでも処断するつもりだ。
天候を操作して雨を降らせるような呪術は高難度の術であり、水行符などで噴水レベルの水を作るのとはわけがちがう。プロの陰陽師が数人がかりで連日祈祷しても不発に終わる場合もある。
(といっても最近はプロの、陰陽庁に勤めるような陰陽師が祈雨すること自体あまりないんだがな)
今さら言うまでもなく現代
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