*裏切りの世界
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獣モンスターと戦うことになってしまいます。それはあまりよろしくない状況だと思います。
非常によろしくない状況だと思われます。
なのでまずは友達の友達から。
友達の輪を広げようとわたしの中に存在するかさえ分からない、”勇気"と言う物を振り絞ってじゅっちゃん達に話しかけてみました。おはようって裏返った声で。
「………」
ぇ。
「あーー!! おはよーー!!」
じゅっちゃんはわたしの横を素通りして教室に入って来た友達Bの元へ駆け寄って行って抱き合い楽しそうに話しています。
納得。
わたしの心が判断した結論。それはなっとく。漢字二文字。ひらがな四文字。
なんでわたし忘れていたんだろう。初めて会った時から彼女はそうゆう女の子だったじゃない。
お家はそこそこお金持ちでいろいろ恵まれているのに欲しがりさん。わたしが持っている物を全て奪い取っていく小悪魔さん。
わたしがじゅっちゃんのことを最初旧友と呼んだのもその理由あって。とても大切な物を奪われ傷だらけされそして捨てられたから。
小悪魔のじゅっちゃん。彼女にとって嘘をつくのは呼吸するのと同義語。裏切るのだってそう。
お馬鹿でお人好しのわたしはこうなると分かっているのに、いつもじゅっちゃんに無償の供与をしてしまうの。
そして用済みになったら捨てられる。使い捨ての駒。
こうしてわたしはクラスで完全なるぼっちとなりました。絶海の孤島に取り残された可哀想な人となってしまいました。
まあそうなることはこの中学校に転校してきたあの日から分かっていたことですけどね。
それでもやっぱり現実は辛いものがあります。
ぐっと堪えたから目からは涙は流れてはいないと思う。誰もそのことでは騒いでいないから。
そっと自分の席へ荷物を置き、窓の方へ歩き、窓の外に広がる晴天の空を呆然と眺めて
ああ――どうか神様仏様先生様、わたしに気持ちの整理をする時間を下さいな。
誰にも聞かれないように心の中で祈ってみたけど、そんなの何にも効果なんてありませんでした。
もうパンドラの箱は開けてしまったんです。もう開けてしまった箱を閉じることは出来ないんです。
今日も退屈と言う名の地獄はじわじわとわたしの心を蝕んでいきます。
勇者はいつになったらお役御免になれるのでしょう。
悪の魔王を倒したら? でも倒しても実はそいつは四天王のパシリだとか、裏ボスの使いっぱしりだとか、散々な事を言われて第二第三の魔王が現れるんです。
勇者はいつになったらお役御免になって平凡で何もない退屈な日常を送れるのでしょう。
いつになったらわたしはお役御免となってこの世界から解放されるのでしょうか?
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