暁 〜小説投稿サイト〜
ナニイロセカイ
*寄生虫の世界 
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ているから、すぐ前の席だから、たまたま聞こえてきただけですよ?

仲のいい友達に愚痴るふぅちゃん。
内容は最初から薄々は気づいていた事だけど、さっきの班の役割決めのときの話。

「なんで私がこんなのやらないといけないのっ」

……ごめんなさい。

「班の奴ら全然喋んないしっ」

……ごめんなさい。

「黙ってればいいってもんじゃないよね!! 話し合いに参加しろっての!」

……ごめんなさい。……ごめんなさい。……ごめんなさい。ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい。

「本当だよねー」

背後から聞こえてくるのはふぅちゃんの怒りの声。
ふぅちゃんの友達の笑い声。
二人の声が鋭い刃となってわたしの心にグサリと突き刺さります。
HPポイントはもうレッドを通り越して零です。
瞳から少し零れた雫をそっとハンカチで拭いて、わたしはまた自分の世界へと沈んでいくのです。


幼い頃から他人と話すのがあまり得意ではありませんでした。
その他大勢と群れるより、一人部屋の隅に居た方が落ち着きます。外でも家でも独りだから。

ちょっとしたことですぐに泣いてしまう 泣き虫さん。
涙が枯れても泣き続けました。そうでしか自分の想いを言えなかったから。

集団行動なんて無理。 人混み紛れてそのまま消え去りたい。

話し合いの場はいつも積極的なリーダータイプの人に全部お任せ。おんぶにだっこ。わたしは寄生虫。
優秀な人に寄生する事でしか生きられない寄生虫なんだ。


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