*静寂の世界
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常闇の世界。
瞼を閉じたから目の前は真っ暗闇です。
なにも見えない。
無音の世界。
両耳は腕でふさいだから何も聞こえません。
心頭滅却すれば火もまた涼し。
それと同じ効果?
この世界にあるのは
混沌に満ちたわたしの心
と
常闇と無音が支配したわたしだけの静寂の世界だけ
――だと思ったのに。
「――ちゃんっ!!」
誰かに体を大きく揺らされて無理やり、本当に迷惑な事ですが……机の上に俯せた体を無理やり起き上がらせられました。
起き上がる時に一度、ゴツンッ、とおでこを机に打ち付けて凄くイタイです。
「だいじょうぶぅ?」
無理やり静寂の世界から現実世界へとわたしを連れ出したのは小学校二年生の頃なかよくしていた女の子。
じゅっちゃん、でした。
ずっごく可愛いわけでも、そんな可愛くないわけでもない、中の中くらいの女の子。
ご両親がかなりのお金持ちで、お母さんはデザイナーさんで、着ているものはすっごくおしゃれさんで、持ってる物は全部可愛い女の子。
……そういえばこうやって面と向かって話すのは何年ぶりだろう?
「久しぶりだねっ」
ニコニコした表情でわたしに話しかけてくるじゅっちゃん。
そんな彼女にわたしは苦笑い。
見えていないのかな? それとも無視?
気にせずじゅっちゃんは話し続けます。どうでもいい内容を。一応聞くけど。
どうやらじゅっちゃんとわたしは初めて会った時ぶりくらいにまた同じクラスなったそうです。
教室に来たばかりで友達と呼べるような人がわたししかいなかったから、またなかよくしようね♪ とのことだそうです。なんて自分勝手な……。
またこの子と同じクラス、そしてお世話係りをしないといけないのか……そう思うと憂鬱な気持ちになりました。
別にじゅっちゃんのことを嫌っているとか、そうゆうのではないんです。……苦手意識はあるけど。
"今”でも大好きです。しんゆうだと思っています……そう"今”でも……。
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