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そうだ、つまらない話をしてあげよう
ちゃんと新聞を読んでいるのかな?

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お爺さんから私への質問。答えはイエスよ。もちろん毎朝ちゃんと読んでいるに決まっているでしょう。
今朝の朝刊では、
【連続殺人犯遂に捕まる! 犯人は未成年の少年! 最後の殺人はまさかの実の父親!?】
なんてキャチコピーが書かれていたかしら。興味がなくてすぐに忘れてしまったけど。
「……でもそうね。事件の背後にそんな話があったなんて驚いたわね」
「おや。君にも驚くとい感情があったのだね」
本当に失礼なお爺さんね。
「刑事にとっては息子が。息子にとっては刑事が弱点だったということだね」
うんうんと頷いているお爺さん。
「そう。なら殺された妻はどうなのかしら」
「どうゆう意味かな?」
「最初に殺された妻の弱点って何だったのかしらってことよ。つまらないお爺さん」
お爺さんはこれ見よがしにんーとわざとらしく首を傾げているわ。
「そうだね……じゃあ、そのことについて語り合うために次は美しいお姫様の話でもしようか」
ああ……逃げたわねお爺さん。
話が思い浮かばなかったからって別の話に逃げるなんて情けない。それに。
「貴方の頭の中では女性はみんな美しいのね」
本当おめでたい人。
「それはそうさ。この世界に美しくない女性なんているはずもないさ。不満そうな顔をしているお嬢さん?」
カッカと笑うお爺さん。もしかして……。
「それは私に対して皮肉を言っているつもりなのかしら?」
「それはどうかな? どう感じ捉えるかは人ぞれぞれだからね」
だらしなく伸ばした髭をさすりながらお爺さんは答えたわ。
「そうね。じゃあ私は貴方に皮肉を言われたと捉えることにするわ」
あとで弁護士事務所にでも行って訴える準備でもしようかしら?
「本当に君は面白いお嬢さんだね」
「本当に貴方はつまらないお爺さんね」
わっはっはと楽しそうに笑うお爺さんにクスリと失笑する私。
さあ――次はどんなつまらない話をするつもりなのかしら? つまらないお爺さん。
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