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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
邯鄲之夢 1
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が前提でするものなんじゃないの? そうでないならジリ貧じゃない」
「中国大陸の各地で反元運動は盛んだったし、たしかベトナムやタイに援軍を要請していたから、救援のアテがまったくなかったわけでもないんだけどなぁ……」
鎖で繋がれた二千艘からなる船団はさながら木で造られた島のような偉容を誇っていた。
まさに要塞。これを武力で落とすのは非常に困難なのは想像にかたくない。
まわりの潮流はかなり激しいはずだが、船上はほとんど揺れておらず、陸にいるのと大差ない。これなら船酔いの心配もなさそうだ。
だが建物の堅牢さとは逆に配置につく兵士達は見るからに疲労の色が強い。
連日の攻撃に不眠不休で応戦し、水不足による体力の低下は深刻なもののようだった。
「こちらに陸宰相と張将軍がおられます」
陸宰相と張将軍。歴史に名高い南宋三傑。張世傑、文天祥、陸秀夫ら三人のうちの二人、陸秀夫と張世傑のことだ。
「有名な人物なの?」
「ああ、滅びゆく南宋に最期まで殉じた忠臣だよ。陸秀夫は幼い皇帝を背負って入水し、張世傑は再起をはかろうとベトナムに逃れる途中、嵐に遭って水死した」
「壮絶な最期ね……」
船の上に築かれた幕舎の中から人々の話し声が外まで聞こえてくる。
「??攻?!」「不! ???固守?!」
こちらから打って出るべきだ。いいや、守りに徹するべきだ。
軍議のようだが意見はまっぷたつに割れて収拾する気配がない。
「なんだか小田原評定って感じ」
「どうもこの亡命政権は一枚岩とは言いがたいようだな」
武装をした男達と官服を着た男達がわかれて座り、喧々囂々と意見が飛び交っている。
彼らが元の支配を潔しとしない、南宋に使える文武百官だ。
王平に連れられて来たものの、どうも横槍を入れる雰囲気ではない。かといって軍議の内容を立ち聞きするのもなんなので、終わってから顔を出そうかと言いかけた時、文官の一人が秋芳と京子に気づき、声をあげた。
「おお、王隊長。そちらの二人が噂の道士様か?」
さわがしかった幕舎内がしんと静まり、無数の視線がふたりの男女にむけられる。
「俗世を離れて方術修行に明け暮れる身、正式なご挨拶の作法を知らぬ無礼をおゆるしください」
秋芳は軽く抱拳して自己紹介した。
ちなみに抱拳とは拱手ともいい、カンフー映画などで片方の掌にもう片方の拳をあてておじぎをするあれだ。
男性は左手で右手の拳を包み、女性は右手で左の拳を包むのが正しいとされ、お葬式などの凶事の場合は左右を逆にするのが礼儀だ。
ほかにも君主からの命令を拝命する時におこなう、両手を組んで頭を深くたれる拝礼。
普段の挨拶など、両手を組み軽く頭を下げるだけの揖礼。
君主への直訴や
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