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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
邯鄲之夢 1
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力のある仏罰。者ども逃げろ!」
攻めてきた軍勢は蜘蛛の子を散らすように退散した。
やがて菩薩と二竜の姿はかき消え、呆然とする王平の前に奇妙な格好をした二人の男女が姿を現す。
「木気は『震』だから雷や風などの揺れて伝わるものがあてはまる。ああいうふうに飛び道具を制する使いかたができる。さらに土気を剋すという意味で地震にもつながる」
「応用の幅が広いのね、水生木の五行相生は相殺するとき注意しなくちゃ」
「傷ついている人がいる、助けよう」
倒れた兵士らに近づいてなにやら呪文を唱えると、血の気を失った顔に活力が戻り、その身を害した傷が癒える。
(嗚呼……、あれはいかなる神仏の化身か神仙か。窮状を見かねた天が我らに救いの手をさしのべてくださったにちがいない!)
王平が平伏して進み出て感謝の意をあらわすと、二人は謙遜の言葉を口にしたのち、困惑気味にここはどこかとたずねたので王平は正直に答えた。
この地は崖山。自分達は侵略者たる元軍の魔の手から宋朝の皇子を護り奉る者だと――。
崖山。
中国大陸の広州湾にある島で、河口部はいくつもの分流があり、多くの三角州を形成している。
片方を海が広がり後方を水路に遮断された大きな岬のような地形をしている。
島の形や海流も気流も複雑で、低い丘陵が南端で急激に高く盛り上がり、海にむかって急角度で落ち込む。周囲にも無数の小島があり、陸と海とが入り乱れている。
首都であった杭州の臨安を落とされ、まだ幼き宋の皇帝・恭帝は元の軍門に降った。
首都陥落と皇帝が降伏を受け入れたことで宋朝はここに事実上の滅亡をむかえたわけだが、降伏を認めない残存勢力は恭帝の兄である趙?を皇帝に擁立し、趙?の死後は恭帝の弟である趙?を皇帝として抵抗運動を続け、ここ崖山にまで追いつめられた。
たいして広くもない地に行宮を建て、官署や兵舎や簡易住宅を造り、宋国再建を誓い元への抵抗を続けている。
崖山の港口は崖門といい、水路の左右に山がせまり、巨大な鉄門を思わせる。港の背後にはけわしい 山々がつらなり、陸上からの攻撃はまず不可能で海上から攻撃するしかない。
宋軍は二千艘の船を鎖でつなぎ合わせて水上に要塞を築き鉄壁の防御陣を敷いた。
船同士を鎖でつなげる、連環の計というやつだ。
赤壁の戦いに倣ったのか、それを見た元軍は強風の日を待って火攻めを決行。藁や柴を満載した数百の小舟に油をかけ点火して宋軍の水上陣にぶつけたのだが、あらかじめ火攻めを予測していた宋軍は船体に冷たい泥を塗りつけてあったため火の手は上がらず、元の火計は不発に終わった。
それどころか長く太い棒で火船の群れをつぎつぎと突き離し、押しやり。変化した潮流に乗った火船は逆に元軍に殺到。自分達の放った火によって損害をこうむっ
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