ペルソナ3
1886話
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瞬動を使っての移動は、この世界の人間ではそう簡単に追いつく事は出来ない。
それは、桐条が乗っているバイクでも同様だ。
特にモノレールの線路の脇は砂利道となっている為に、バイクでも思うような速度は出せないだろう。
ましてや……その瞬動の上に精神コマンドの加速を使っているのだから、桐条との差は開くばかりだった。
後ろからは何やら桐条が叫んでいる声が聞こえてこないでもないのだが、それは聞き流すとする。
とにかく、今は桐条に構っているような余裕はなく、ポートアイランド駅に突っ込もうとしているモノレールを何とかするのが最優先だったからだ。
そんな訳で線路に向かって真っ直ぐに走っていると、やがて視線の先にこの影時間の中でも動いているモノレールの姿が見えてくる。
ちっ、てっきり1両かと思ってたが……10、いや11両編成か?
これから俺がやろうとしている事は、普通に考えれば常識外れと呼ぶに相応しい行為だ。
だが、それをやろうと考えていたのは、あくまでもモノレールが1両だと思い込んでいた為だ。
11両編成となると、いっそ別の方法を考えた方がいいか?
そう思わないでもなかったが、ここからどうにかするにはそれこそニーズヘッグを出すといった手段が手っ取り早くなってしまう。
もしくはスライムを使うか?
どっちも今はまだ秘密にしておきたい代物だけに、止めておいた方がいい。
どうするべきかを考えている間に、俺とモノレールとの距離は次第に縮まっていく。
ちっ、これ以上考えても意味はないか。
とにかく今は、モノレールを停める方が先だ。
一切速度を緩める事がないまま、モノレールはポートアイランド駅に向かっているのだから。
……そうだな。今更、ちょっと俺の特異なところを見ても、桐条ならそれも影時間をどうにかする為の力だと、そう判断してくれるだろう。
そもそも、これから行う事を見た上で俺を敵に回す気が起きたら、それはそれで凄いと思うが。
影の転移ゲートを持っているという時点で、俺と敵対したらただで済むはずはないというのは、明らかなのだから。
ともあれ、その辺りの事は吹っ切って……気にしない事にする。
そう判断するのと、こっちに向かって走ってくるモノレールと俺が接触するのは、殆ど同時だった。
俺が何をするのか……それは、特に難しい事ではない。
単純に、俺の力でモノレールを……強引に停めるのみっ!
「うおおおおおおおおっ!」
モノレールの先頭車両に触れ、そのまま踏ん張る。
当然モノレール……それも11両編成と俺という個人での正面からのぶつかり合いだ。
普通であれば、それこそ一瞬の拮抗もなしに俺が吹き飛ばされて終わりだろう。
「アルマーッ!」
実際、背後からは桐条の血を吐
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