ペルソナ3
1886話
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くような叫びとでも表現するのが相応しい声が聞こえてきてるし。
だが……その声は、次の瞬間途切れる。
まぁ、分からないでもない。
モノレールに正面からぶつかっていった俺が、まさか吹き飛ばされず……それどころか、モノレールに押されてはいるが、それでも平気な顔をしているのだから。
いや、今はモノレールの先頭車両に触れているんだから、顔は見えないか。
モノレールの冷たい感触に若干の違和感を抱きつつ、俺は足に力を込める。
モノレールが走る為の線路がかなり壊されているのが感触で理解出来るが、それは仕方がない。
影時間に壊れた物とかは、影時間が終わるとそれに相応しい形でどうにかなるって話を聞いた覚えがあるから……その辺は桐条グループがどうにかしてくれるだろう。
そもそも、こうなっている原因は有里達がこのモノレールの暴走を停められないのが原因なのだから。
少しずつ、少しずつ……俺が触れている先頭車両を破壊しないように力を込めていく。
そうして力を込めていくに従って、モノレールの速度も次第に落ちてくる。
「ぬう……」
モノレールがぶつかってきた威力自体はそこまで強力ではないのだが、その大きさが厄介な代物だった。
だが、それでも俺というブレーキがいればいずれは速度が落ちていくのは当然であり、モノレールの速度が急速に落ちていく。
「アルマー、おい、アルマー!」
離れた場所から桐条の声が聞こえてくるが、生憎と今はそれに答える余裕はない。
体力的にという意味じゃなくて、身体全体でモノレールに引っ付いている現在の状況的な意味で。
そのまま時間が経っていき、数十秒……もしかしたら1分以上? 俺がモノレールの線路を削りながら進み続け……やがて、その動きが停まる。
モノレールの方に被害は出なかったが、線路の方にはかなりの被害が出てしまった。
これは寧ろ、普通にモノレールが壊れるよりも被害は大きいんじゃないか?
モノレールだけであれば、それこそ車両を交換すればいいだけだ。
だが、線路の方はこの駅を使っている全ての者に被害を与える事になる。
……まぁ、被害額という意味では、モノレールの方が大きかったんだろうが。
それにモノレールには真田達も乗ってたって事だし、そういう意味では寧ろ助かった筈だ……と、思いたい。
「ああ、問題ない。取りあえずモノレールを停める事は出来たが、線路にかなりの被害が……ちっ!」
桐条に説明している途中で気が付く。
まだ、中では戦いが行われているのだと。
モノレールの中から発せられている殺気や闘気といった代物は、十分にここからでも関知する事が出来た。
つまり、桐条が言っていたイレギュラーシャドウはまだ健在といったところだろう。
「アルマー?
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