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魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜 外伝
人として生きていく 〜今のあたし〜
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あるんだと思う。


 戦闘機人ではなく、ひとりの人間として生きて行こう。
 思い込みで判断するんじゃなく、自分で見て聞いて感じて判断しよう。
 感情的になってしまったとしても、あとで反省して自分が悪いのなら素直に謝ろう。


 そんな風に思えるんだ。こんな風に思えるようになったのは、もちろんスバルを含めた多くの人のおかげだって分かってるけど……あたしが大きく変われるきっかけになったのはこの人だ。
 この人があたしが変われるまでの間、変わることなく何度も接してくれた。話しかけてくれたからなんだ。だから……この人が幸せになれるのならそれを応援したい。

「さあさあ、どうなんすか?」
「……この場では言いたくない」
「え〜そりゃないっすよ。何で言ってくれないんすか?」
「俺の経験上、お前みたいな奴に言うと誰かれ構わず言いふらしそうだからだよ」

 これに関しては至極真っ当な意見だ。
 ウェンディも仕事とかに関わるものなら秘密にと言われたら守るだろうが、私生活面の秘密に関してはふとしたことでポロっと言ってしまうかもしれない。
 本当はそうではないかもしれないが、こればかりは普段の言動で決まってしまう部分なのだから仕方がないだろう。

「心外っすね。これでも口は堅い方っすよ。だから気兼ねなく言っちゃってくださいっすよ」

 笑顔に言うウェンディに対して、ショウさんはその笑顔が信じられないんだよなと言いたげな顔を浮かべる。はやてさんやシュテルさんのような相手が身近に居ただけに胡散臭いものに関しては人一倍敏感なのだろう。

「娘公認で疑似的夫婦であるなのはさんすか? 家族ぐるみで親しくしてるフェイトさんすか? それとも誰よりも一緒に居た時間が長かったであろうザ・幼馴染のはやてさんすか?」
「凄まじく腹立たしい顔だな。お前がはやてとかなら容赦なく殴ってるぞ」
「むむっ!? そこではやてさんの名前が出るということはやっぱり……! ッ……!? ノ、ノーヴェ……いきなり何するんすか?」
「何ってショウさんが困ってんだろうが。本人が言いたくないって言ってんだから引き下がれよ」
「ノーヴェだって気になってたくせに……ここで良い子ぶるとか卑怯っすよ!」

 卑怯で結構だよ。
 あたしはこの人に嫌な思いはさせたくねぇんだ。昔やっちまったことへの詫びってのも理由だけど、単純にそう思うのが今のあたしなんだよ。文句あっか。
 そういう目でウェンディを睨むと、しぶしぶといった感じではあるがウェンディはイスに座り直す。くちびるを尖らせながら食事を再開したのを見届けたあたしは、少ししてから止めていた手を動かし料理を口へと運び始める。
 その直後――。

『悪いなノーヴェ、助かった』

 と、ショウさんから念話が届いた。
 
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