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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
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り、霊災修祓以外の一般分野での使用がおおやけに認められれば、社会の利便性は飛躍的に上昇するだろう。
父であり陰陽庁の長官である倉橋源司はそのようになるよう、陰陽法の改正を進めているらしい。
だがそれに頼ってばかりではいられない。なにせ陰陽庁という組織は霊災によって街ひとつが消滅した事実の隠蔽をこころみるくらい後進的な¢g織なのだ。
あれ以外にも表沙汰にできないような暗い所業があるかもしれない。ほうっておけばあらぬ方向に突き進む可能性がある。そうさせないためにもみずからが立って行動する必要があるのだ。
(呪術界全体の社会的地位の向上はけっこうですけど、そうでない人達の立場が相対的に貶められたりとか、絶対にあっちゃいけないわ)
異能の力を持った一部の人が絶対的な支配者として君臨するディストピア。そういった世界を描いたサイファイ作品は枚挙にいとまがないが、現実をそのようなフィクションと同じ社会にしてはいけない。
そんなことを考えていると秋芳が壁の中からもどってきた。
「案の定、中はほこりまみれだったがきれいにしてきた。空調ダクトが活きてたから窒息する心配もない。入ろう」
秋芳は京子の返事も待たずに手を引いて壁の中へと入る。
椅子や机が全撤去された学校の空き教室。そんな感じの部屋だった。天井あたりで明るい光を放っている火は呪術によるもので、たった今秋芳が点けたものだろう。
「烏枢沙摩明王の真言で清潔にしたから寝ころがっても平気だ」
そう言って簡易式でふとんを作り、デイドリーム枕くんを床に置くとなにやら操作しだす。
「こんな面白そうな物を手にして今夜までまてるものか。京子、俺はたった今こいつのできを試すぞ。五分ですませるから見ていてくれ」
津守の願いを聞き入れた時からすぐにでも使いたいと思ったが、無防備に横になれる場所がない。見知らぬ人に寝顔を見られるのもいやだ。
どうしたものかと迷っていると出入り口のない部屋を見つけたので、これ幸いと使わせてもらうことにしたのだ。
「刀会が終わって家に帰るまでまてないの?」
「まてない。とりあえずちょっと様子を見るだけだから、危険がなさそうなら京子にも貸すよ」
「そうじゃなくて……。それ、あたしも一緒に使いたいのよ。さっき鑑定したらふたり同時に使っても問題ないみたいだったし、秋芳君と同じ夢を見たいの」
「枕をともにする、か……。良いねぇ」
思わずにやけ顔になる秋芳。
「だ〜か〜らぁ、こんな場所じゃなくてもうちょっと雰囲気のあるところで横になりたかったんだけど、まぁいいわ。現代呪術の総本山である陰陽庁を枕に夢を見るってのも、あたし達にはお似合いなのかも」
京子はそっと腰を下ろし、秋芳に身体をよせる。
「もう準備はい
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