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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
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効果はわかった。
「はい、おっしゃるとおり。誤って一般の人や未熟な陰陽師の手で作動しないよう、そういう仕様にしてある。ただ難易度を上げすぎたようで、私自身でも動かせないという次第でねぇ。……お二人にお願いだ。どうかこいつを実際に試してみて、効果のほどを教えてくれないだろうか?」
「会ったばかりの人間に、無許可で作った帝式の呪具の実験を頼みますか普通」
「非常識なのは百も承知だよ、そのうえでお願いするよ。もうずっと外来もなく、来年の定年退職までこいつを独りでながめるだけかと思っていたら、ここにきて人並みはずれた霊力のお客さんが二人も現れた。こいつはきっと天の配慮だとびびっと直感したね、きっと引き受けてくれると。頼むよ、このとおり!」
両手を合わせて拝み倒さんばかりのいきおいで懇願する津守。
秋芳と京子は顔を見合わせた。
どうしようか?
年配の人にここまでお願いされて無碍にはできない。なによりこの呪具はなかなか興味深い。純粋な好奇心から試してみたい気がする。
「ただとは言わない、もし引き受けてくれたら報酬としてここにおさめられている物をなんでもあげるよ」
ここには先の瓢鮎図のようなたんなる美術品の模造品のほかにも数多くの呪具があった。それらのひとつでもけっこうな額になるだろう。近年でこそ陰陽庁やウィッチクラフト社が人造式や呪符の販売をしているが、呪具の販売は基本的にやっていない。
なにせ呪具というやつは大量生産のできない、一般市場にはそうそう出回らない代物で、欲しがる人ならいくらでもお金を出す類の物なのだ。
「……さっきのお茶、黒楽茶碗でしたよね」
「ああ、さすがに利休や長次郎の作じゃないが、安土桃山時代に作られたちょっとした名物だよ」
「あのような本格的な器でお茶を飲んだのは始めてです。貴重な体験をしました、報酬はそれでけっこう」
「おお! では引き受けてくれるか!」
「あたしも。器についてはよくわからないけど、津守さんの点ててくれたお茶は美味しかったわ。それにお茶菓子もね」
話はまとまった。さっそく津守作成の夢枕をあずかる。
「誘眠効果があるから今すぐここで寝てどんな案配か教えてくれ。と言いたいとこだが、さすがにこんな場所で会ったばかりの者に見られて眠るのは気が乗らないだろうし、今晩はそいつを使って休んで、明日にでも結果を知らせてくれ。頼んだよ!」
「わかりました。ところで、この枕、なんて名前なんです?」
「デイドリーム枕くんだ」
「なんだかデビルーク星の王女様の発明品みたいな名前ですね」
デイドリーム枕くんを手にひとけのない陰陽庁の廊下を歩く。
「……ねぇ、今夜はそれを試すでしょ?」
あたしも一緒にしたいな。その一言がのどまで出かかり、
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