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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
観念
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とも呪術の修行の一つなのである。
「あと、男の人はもうすでにナマズを捕まえていて、瓢箪のように見えるのがナマズで、ナマズのように見えるのが瓢箪だったりして」
「おー、なるほどなるほど。京子は賢いなぁ」
ここは陰陽庁の中にある一室で、禅についての資料が展示されている。
二人はなぜ陰陽庁にいるのか?
今日は巫女クラスの刀会が陰陽庁に隣接する呪道館で開かれるので観戦に来たのだが、せっかくなので陰陽庁に足をはこび、先日のハロウィンの大霊災。万魔の大祓えについての意見を伝えにきたのだ。
陰陽師側が力任せの強引な方法で祓魔しようとしたことで霊災が強化、変容した可能性をうったえ、ハロウィンの作法にのっとりお菓子を捧げたり、みずからもお化けの仮装をするという儀式≠おこなうことで被害もコストも最小限にできるはずだと、文章にしたためて提出した。
お菓子を出せば動的霊災はおとなしく従った。京子の名こそ出さないし、あの日のすべてを記したわけではないが、陰陽塾に籍を置く賀茂秋芳の経験談として書いて渡した。
陰陽庁は世間に対してオープンな組織であることをアピールすることに余念がなく、呪術師やそうでない者の意見も広く募集している。
そのための窓口はつねに開かれた状態だ。
じゅうぶんに余裕をもって出発したため、刀会開催にはまだ時間があった。なので時間まで普段はあまり見る機会のない陰陽庁の内部を見学してまわっているのだ。
あいかわらず笑狸は陰陽庁の空気が苦手らしく、庁舎の近くにある喫茶店で時間をつぶしている。
秋芳と京子がともに陰陽庁に来たのはこれで二回目。最初に来た時に見なかった場所を中心にまわっている。
この陰陽庁庁舎という建物は戦後間もない頃に造られた古い建造物で、幾度となく増改築を繰り返しているが、残された部分や引き継がれた個所も多い。
霊的、呪的な理由で手を入れることが困難な場所や機能があって、実際の施行に合わせて変更することができないからだ。
さらに増改築のさいに現場の陰陽師たちが特殊かつ細かい指示を出しているため、工事のたびに特異な構造が増える一方だった。
庁舎内で普通に働いているぶんには問題ないが、ちょっとでも奥まった場所には結界や封印があたりまえのように敷かれており、壁一枚へだてた隣の部屋は異空間につながっている場合さえもあるという魔宮だ。
そのような場所をふたりで散策しているうちに『観念と呪術』なるコーナーのしつらえられた場所にたどりつき、少しのぞいているのだ。
瓢鮎図のほかにも様々な展示物が置かれていて、禅庭園での瞑想を擬似体験できるという呪術装置を見つけた。四方を白い布におおわれ、中央にあるハマグリのような貝の形をした呪具に呪力をそそぐと布に幻が投影されるという物だ。
「蜃気楼という
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