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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
刀会 4
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 東京都内にあるとは思えない深い緑にかこまれた中、歴史を感じさせる山門や仏塔が目の前にそびえ、山門の額には『聖蓮寺』と書かれている。

「そうだ」
「しかも……、甲種呪術の気配を感じるのですが」
「おお、よくわかったな。さすが白巫女壱番隊一の良識派、十字眞白だ。そう、ここは一般に開放されてはいるが、いわゆる闇寺という場所だ」
「「「闇寺!?」」」
「正確には闇寺だった、場所な」

 闇寺。
 現在の陰陽法からはずれた呪術者が身をよせ合う、呪術界のアンダーグラウンド。わけあって陰陽庁を去った者や陰陽庁に属することがかなわなかった者、呪術への理解が薄い地域で術が使えるからと化物あつかいされた者などが行きつく場所。
 生成りの子どもら引き取り優れた呪術者へと成長させる場でもある。
 だが闇寺の者が普通に使用している甲種呪術等は国家資格がないと使用出来ないものであり、陰陽庁からみれば闇寺は犯罪者の巣窟そのものだ。
 このような場所は日本各地に存在し、呪術に関するすべてを掌握しようとしている陰陽庁にとって頭痛の種になっていた。
 陰陽法の改正のほか、このような非合法の呪術組織の解体もまた、現在の陰陽庁が意欲的に取り組んでいる課題の一つだった。
 
 この聖蓮寺はそんな陰陽庁の軍門≠ノ降って久しい元・闇寺だと秋芳は生徒達に説明した。

「――とまぁ、破格の条件で従属させたんだ。もちろん陰陽庁への投降に不満を持つ者も少なからずいて、そういう人達は別の闇寺に移っていったそうだが、おもだった面々は残って合法的な活動をしている。たとえば宿坊なんかに宿泊して写経や座禅を体験して心を清め、夜には美味しい精進料理をいただく。みたいなレクリエーションの提供で、わざわざ非合法のあぶない橋を渡るよりかは、よっぽど良い商売になるらしい」

 懐柔し、吸収する。血の流れない良いやり方だと秋芳は思う。呪術師だからと問題解決にやたらと呪術をもちいることは、軍隊がやたらと銃砲をチラつかせ、使用するのに等しい。相手を屈服させるのに呪術という武力≠もちいず、最後まで話し合いで解決していって欲しいものだ。

(しかし陰陽庁に組するのをこばみ続けた者が残る、最後の闇寺を落とすのは骨が折れそうだよな。だがそれでも平和的に国内勢力の統一をしてもらいたいものだ。日本を良くしようとしているのに日本人同士で殺し合うなんて愚の骨頂だ。……いや、いやいやいやっ、この考えはいささか危険じゃないか? 陰陽庁が、多数派がつねに正しいとは限らないし、少数派の意見も尊重すべだ。数が少ないということは悪いことでもなんでもない、むしろ人間の多様性をしめすもので、少数だから悪いということもない。いかんいかん、いかんぞ賀茂秋芳。多数派の意見に安住して少数派の意見を疎外するのはいか
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