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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
刀会 4
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、梅桃桃矢という名だが、彼はついひと月ほど前までまともに薙刀も振るえなかった。それを必死の努力でここまで強くなった。ひと月でこうだ。一年、いや半年もあればシェイバと互角以上に戦えるようになる」
「ねぇな、ありえねぇ。一年どころか百年かかっても女装坊主がこいつに勝てるわけがねぇ」
「勝てるさ」
「勝てねぇ」
「賭けてもいい」
「ほぅ、なにを賭ける?」
「俺の全財産」
「秋芳先生!?」
いったいこの人はなにを言い出すんだ?
「プハッ! 木っ端講師の安月給の全財産なんざたかが知れてるぜ、十万か? 二十万か? そんなはした金いるか」
「三千五百万円」
「なん…だと…」
これは予想外に大きな金額だった。陰陽師の給料はけして高いとは言えない。国家一級陰陽師である鏡でも、世間で言われているほどの高給はもらっていない。まして二十歳そこそこと思われる一講師の稼ぎでそれほどの貯金があるのは意外だった。
「てめぇ、ふかしこいてんじゃねぇだろうな?」
「うそじゃない。なんなら通帳でも見せようか」
「……ようし、その話、のった!」
鏡はべつに金にこまっているわけではない。
この男、鏡伶路は力の信奉者である。
霊力、呪力、知力、体力、権力……。ありとあらゆる力を認め、求めている。
財力もその一つだ。なにも金が欲しいわけではない、他者を屈服させ、その力を奪うのが好きなのだ。
鏡が喰らうのは、なにも鬼だけではない。すべての存在はおのれを高めるための糧でしかないと思っている。
「決まりだ。半年後にそのガキとシェイバで死合ってもらうぜ。――十二神将相手の約定、やぶったらどうなるか、言うまでもないな」
鏡は満足してシェイバをともないその場を去った。
「あ、あああっ、秋芳先生! なんつーことしてくれるんですか!?」
なりゆきを黙って見ていた桃矢が狼狽して、食ってかかる。
「俺にあいつらを叩きのめして欲しかったのか? 巻き添えくらって死者でも出たらどうする、せっかくの刀会がだいなしだ。ああしてあしらうのが一番だったのさ」
「で、でもどうして僕があんなバケモノみたいなのと戦うはめに……。ていうか十二神将!? さっきの鏡っての十二神将じゃないですか! ああ嗚呼アアッ、な、なんてのを相手にしちゃったんだぁ〜」
「そのバケモノみたいな式神を投げ飛ばしたり、十二神将相手に突っかかった、さっきのいきおいはどうした?」
「あ、あの時は頭に血がのぼって自分でもわけのわからない状態だったんです」
「そんな状態できちんと技が出せたんだからたいしたものだ。おぼえた技をきちんと身につけている。この調子で、今までと同じ訓練を半年間ちゃんと続ければ勝てる見込みはある」
「ううう……、そんな人ごとだと思
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