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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
刀会 4
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してやがるのか? こそこそと出し惜しみするやつは好かねぇ――ッ!)
鏡の手がひるがえり無数の式符が乱れ飛び秋芳に殺到。鋭利なナイフや獣の牙を象った式符が突き刺さると同時にかたわらのシェイバが髭切を一閃。胴が真っ二つになる。
エア斬殺。
現実の光景ではない、鏡のイメージだ。
しかし本気の殺意を飛ばした。ある程度の使い出ならばなんらかのリアクションがあるはず。
だが殺気の颶風が吹きすさぶ中でも秋芳は微動だにせず、霊気にもぶれがなかった。
動かないのではなく、動けない。霊力呪力はともかく実戦となれば戦闘力はこちらの上。戦えばかならず勝てる。鏡はそう判断した。
「陰陽塾に巫女クラスがあるとは聞いてたが、チャンバラごっことはねぇ。いいのかよ、舞や祝詞の練習はしないで」
「彼女達の戦いを見てなかったようだな。呪術をまじえた実戦に近い試合、普段から舞や祝詞を真剣に学んでいるからこそできることだ」
「祝詞はともかく舞は戦闘の役にはたたねぇだろ、巫女さんは巫女さんらしく神前で神楽舞でも奉納していればいい。生兵法はケガのもとって言うぜ」
鏡の中には巫女クラスに対する嘲りの念があった。
巫女クラスだと? 神道科ならともかくなんで巫女だ。巫女限定なんだ? 答えは簡単、ただの客寄せだ。
かつて土御門夜光はいにしえより伝わる数多の呪術を一つに編纂し『陰陽術』を作った。
神道、修験道、密教、仙道――。多くの呪術からなる統合呪術がなぜ陰陽術という名称になったか?
それは土御門夜光が陰陽師だったからにほかならない。
もし彼が神官だったならば神道術、僧侶ならば法術とでもなっていただろう。
土御門夜光以降、呪術師イコール陰陽師となったのだ。
だが当時の日本は神道を国教としていたため、神道という存在を無碍にはできない。もともとあった神社本庁に甲種呪術をあつかえる神官が配置され、戦後しばらくは陰陽塾に神道科が存在した。
だがいつしかなくなり、代わって巫女クラスが設立された。
陰陽師とはことなるアプローチで呪術に関わる。という題目で、若い娘を使いなんでも屋みたいなことをしているそうだが、一種のアイドル商法みたいなものだと鏡は思っている。
メイド服を着て耳かきや給侍をする、ああいう商売に近い。
さすがに売春などはしてないだろうが、巫女とは聖と俗を併せ持つ存在。古代メソポタミアの神聖娼婦や、遊女のような真似もした歩き巫女という存在を連想してしまう。
本職の呪術師とは呼べない、ごっこ遊びの集団。それが陰陽塾巫女クラスに対する鏡の見解だった。
「竹刀箒でぴちぴちじゃれ合うのが呪術戦だって? 冗談だろ」
「なにを言う、彼女達の薙刀術は見事な兵法だぞ。それに舞は戦闘の役に立たないと言ったが、舞は武に通じる」
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