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ルヴァフォース・エトランゼ 魔術の国の異邦人
シーホーク騒乱 2
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と戦い彼女を嫁にして四人目の妻にまでしている。
 関索が主人公の転生学園ハーレムラノベでも出るのも時間の問題だろう。

「――とまあ、神話や伝説から個人の創作物にいたるまで、主人公が強くてモテモテな作品は数多く、それだけ人々に求められているのだ。陳腐だなんだのと言われるが、陳腐というのは幾度にもわたって使われるからで、幾度も使われるということはそれだけ効果があるからであり、王道を理解できないやつには――」
「そんなことよりも、この方法で他に魔道具がないか調べてみますわよ!」
「そんなことって……」
「わたくしは魔道具を担当しますから、アキヨシはそれ以外の気? とかいうのをまとったいわくありげなやつを任せますわ。ミーア、あなたは荷物持ちですわよ」

 こうして午後は蚤の市での掘り出し物探しに費やされた。





「思っていたよりも見つからないものですわね……」
「そうかな、けっこうな釣果だと思うが」

 ナーブレス邸にもどったウェンディ一行は部屋いっぱいに収穫品を広げて整理をしている。

「伝説の武具や秘伝の魔導書などが発見できるかと期待していましたのに、小物ばかりでしたわ」

 入手できた魔道具は小粒の魔晶石や【トーチ・ライト】が付呪されて文字通りペンライトとして仕える筆、【ファイア・トーチ】が符呪されたワンドなど、こまごまとした物ばかりだった。

「いや〜、そんなものだろ。むしろあんなところに魔道具がごろごろと転がっていたら、国の管理能力を疑うわ」

 魔術と魔術師が国によって管理されているように、魔道具の類も原則として国家の管理下にある。
 とはいえすべての魔道具を完璧に管理するのは無理なので、害がなかったり目立たない物は一般に流通されてしまったり、今回のように市に流れてくることがある。

「それよりもこっちの未鑑定品の価値が知りたいね」

 非魔道具。秋芳の見鬼で発見した非凡な気を纏う品々は後日専門家に見てもらうことになっている。

「それこそ小物ですわ。わがナーブレス家にそのような小汚ない壷や絵は不要でしてよ」
「城ひとつが買えるほどの価値がある美術品かも知れないぞ」
「もしそうなら好事家連中にでも売って、あなたの入学費にあててさしあげてよ」
「いや、こういった芸術作品は美術館などに寄付して多くの人に観賞されるべきだ」
「好きになさい」

 こうしてライツ=ニッヒの未公開作品はアルザーノ魔術学院の図書館に寄付されることとなり、のちに幽霊騒動を引き起こすことになるのだが、それはまたべつのお話――。

「けれどセンス・オーラにこんな使いかたがありましただなんて、思ってもみませんでしたわ」

 この手の感知系の魔術は遺跡で見つけたあやしい場所や道具を鑑定する際にしか、魔導
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