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歌集「春雪花」
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 はげしける

  木枯吹きて

   葉も散りぬ

 行くあてもなき

    想いわびしき



 木枯らしが勢いを増し、あちらこちらの木々の葉を散らして行く…。

 葉は風に飛ばされ…行くあてもなく彷徨うのだろう…。

 私の想いに似ている…そう思うと、あまりに虚しく…無常さに身の置き所さえ分からなくなってしまう…。



 時雨なば

  散りし木の葉の

   侘しける

 さみゝ心も

    散らば楽かと



 空は時雨…ただでさえ寂しい風景を、木々の葉を散らしてより寂しくしてしまう…。

 落ちた木の葉は雨に濡れ…その侘しさに居た堪れない…。

 あぁ…朽ちゆく道端の木の葉のように、私の心も散って朽ちれば楽なものを…。


 彼に会えない寂しさに震える…この私の心をも…時雨て散れば良いものを…。




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