第5章:幽世と魔導師
第134話「京での戦い・前」
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ダメージがない訳じゃない。いくら受け流しても手にダメージは蓄積する。
「ぉおおおっ!!」
「っ!?」
だけど、ザフィーラは何かが変わっていた。
手に蓄積するダメージをものともせず、拳を逸らしてから肉迫。
渾身の力で酒呑童子を殴り抜いた。
「……く、ははは!やるではないか犬!」
「…私は狼だ」
「人間に仕える獣など、犬で十分。……いやしかし、陰陽師ではないにしろ楽しめそうだ!」
酒呑童子は一度地面に下り、再びこちらへと跳んできた。
先程までよりも速い…!
「主、私が凌いでいる間に頼みます」
「ザフィーラ!?そないな無茶を…!」
無茶だと、はやてちゃんは言う。
けど、その途中でザフィーラの覚悟を見たのか、言葉を詰まらせた。
「っ…シャマル!アインス!ザフィーラを援護や!他の皆もバインドとかで足止めして!その間になのはちゃんはチャージ!でかいの撃ち込んで!」
「わかった!」
はやてちゃんの指示に私は返事する。
その間にも、ザフィーラは酒呑童子の攻撃を逸らしていた。
酒呑童子の足元にはザフィーラの魔法である鋼の軛があり、それで体勢を少し動かす事で上手く威力を減らしているみたいだった。
「(いつの間に、あんな戦い方を…)」
戦っている所を頻繁に見る訳ではなかったけど、ザフィーラの戦い方は今のようなものではなかった。あの戦い方は、まるで素手の時の優輝さんのような……
「ぬぅっ!?面妖な…!だが!!」
「嘘!?バインドを力ずくで!?」
シャマルさん、リニスさんを筆頭にバインドが仕掛けられる。
けど、手足に付けられたリングバインドはあっさりと砕かれ、チェーンバインドも直後に引きちぎられた。
「(っ…まだ動いちゃだめ…!もっと魔力を溜めないと…!)」
酒呑童子には並大抵の魔法は効かない。
…ううん、効いてはいるけど、倒すには至らない。
だから、今の私の最高火力をぶつけるためにも、魔力を集めないと…!
「かゆいわ!」
「っ、シグナム!」
「すまない、フェイト!」
隙を見て何度も攻撃していたシグナムさんへ蹴りが繰り出される。
間一髪でフェイトちゃんが助け出した。
「“縛鎖全断・過重湖光”!!」
「ぬ、ぐぅううっ!?そのような技を隠していたか…!」
ダメージから復帰した神夜君が魔力を込めた斬撃を繰り出す。
斬りつけた場所で魔力を炸裂させるその技は、酒呑童子にも通じた。
ようやくまともな傷が酒呑童子の腕についた。
「余所見をしていていいのか?」
「む…!」
その間にもザフィーラは行動していた。
狼の姿
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