第5章:幽世と魔導師
第134話「京での戦い・前」
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力で吹き飛ばす。さらにすかさず奏ちゃんが切り込み、守りに“穴”を開ける。
無理すればこの状態でも届くけど、懸念があるためさらに隙を作る。
「させないよ!」
辺りに散らばる嫉妬の水。
それらが浮き上がり、ここら一帯を負の感情で飲みこもうとしていた。
だけど、そんなのは私がさせない。
すかさずシュラインの柄で地面を叩き、祈りの力で嫉妬の水を相殺する。
もちろん、多くの魔力を消費するけど、そこはジュエルシードで代用した。
「これで…っ!」
「終わり…!」
奏ちゃんが橋姫を覆っている嫉妬の水を切り裂く。
ついに無防備になった橋姫に私がシュラインを突き刺し、奏ちゃんが切り裂いた。
派手に魔法を使っていない分、その攻撃に込めた聖属性の力は強い。
橋姫にも効果は抜群だったらしく、その場に膝を付いた。
「“神撃”!!」
トドメに聖属性の霊術を打ち込む。
聖属性は天巫女の能力と相性がいいため、威力も普通と桁違いだ。
…これで、ようやく橋姫を倒し切れた。
「っ、そうだ…!幽世の門は……!」
「あそこよ…!」
幽世の門はまさかの橋のど真ん中にあった。
どうやら橋姫がずっとそこに陣取っていたみたいだ。
そこから湧き出る瘴気も力にしてたのなら…あそこまで強いのにも納得かな。
「……よし、これで完了…と」
「後は…」
これで橋姫は倒せた。後は…警察の人達への対応だ。
…生憎、魔法とか霊術とかを説明するような話術スキルは持ち合わせていない。
持ち合わせていた所で、絶対納得してくれないだろうけど。
「『…どうするの?』」
「『どうするも何も……任意同行とか説明している暇はないし、かと言って怪しまれてるから迂闊な行動は取れないし……』」
何も分かっていない人達への説明は難しい。
学校の皆は魔法とかを知らなくても、私達と言う人柄は知っていたから、あの説明で割と何とかなったのだ。
「『……こ、こうなったら…』」
「『…何をするつもり?』」
じりじりと、警戒しながらも近づいてくる警察の人達に対し、私がした行動。
……それは…。
「一般市民の保護をお願いします!『逃げるよ奏ちゃん!』」
「『えっ……』」
説明も何もかもすっ飛ばして、一言残して逃げるという事だ。
正直説明してられない!変に余計な事喋っちゃいそうだもん!
「『クロノ君に状況を聞いて、危ない方に加勢に行くよ!』」
「『……分かったわ』」
手を引っ張ってその場から奏ちゃんも連れだしておく。
あの判断にちょっと納得がいっていないようだけど、そこは我慢してほしい。
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