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ヘタリア大帝国
189部分:TURN18 ガメリカ共和国その十一
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「けれど。UFJの暴走は私達でも抑えきれなくなっていたから」
 クーはUFJの事情に言及した。
「私達でも。どうにかできないものもあるから」
「万能の人間なんていないわ」
 ハンナはきっぱりと言い切った。
「人間の力には限りがあるものよ」
「例え四姉妹であっても」
「ええ。それは祖国さんも同じだけれどね」 
 彼女達が等しく愛情を向けているアメリカも同じだというのだ。それは。
「万能で。何もかもをできる存在はいないわ」
「けれど今回は」
「本当に祖国さんしかできなかったからね」
 キャロルはその眉を少し顰めさせて言った。
「ファインプレーだったわ。政治的にもね」
「キャロルも政治的な判断ができるようになったわね」
「当たり前でしょ。これでも国防長官よ」
 少し怒った様な表情を見せてだ。キャロルはハンナの挑発めいた言葉に反論した。
「だからね。今回は本当にね」
「祖国さんのファインプレーね」
「そう思うわ。けれど日系人への偏見は残るわよ」
 キャロルはこの感情について指摘した。
「あたしも。収容所は反対だけれど日本人は嫌いよ」
「わかってるわ。既に考えはあるわ」
「考えって?」
「日系人への偏見と日系人達のそれに対する反発を利用するわ」
 その二つをだ。同時にだというのだ。
「日系人達に軍への志願を勧めてみたらどうかしら」
「国防省としてなのね」
「そうよ。どうかしらこれは」
「悪くないわね。丁度日系人の軍人にいい娘がいるし」
「そう、いるの」
「朽木=イザベラっていうの。負けん気の強い娘よ」
「ではその娘を提督に抜擢したらどうかしら」
 ハンナはキャロルにこう勧めた。四姉妹同士ではあるが管轄が違うのでアドバイスになるのだ。
「そうしたらどうかしら」
「そうね。あの娘を提督に抜擢してなのね」
「その下に日系人の志願兵を置くのよ」
「悪くないわね。じゃあイザベラに話しておくわ」
 キャロルは明るい顔になって言った。
「丁度あの娘今マニラにいるし。祖国ちゃんとも会えるわね」
「だからキャロル、祖国さんをちゃん付けで呼ぶのは」
「いいじゃない。あたし自分の国大好きだから」
 クーに言われてもだ。キャロルは自分の国への砕けた態度を変えない。
「祖国ちゃんの為なら一肌も二肌も脱ぐわよ」
「私も。やってみる」
 ドロシーはキャロルの話が終わったところでぽつりと述べた。
「祖国さんの為に考えていることがあるから」
「科学やエネルギーのことは任せるわ」
 ハンナはそのドロシーに言った。
「そうしてね」
「わかったわ」
「じゃあそういうことでね」
 話が全部終わったと見てだ。キャロルが明るく述べる。
「電話での会議はこれで終わりね」
「ええ。ではそれぞれの仕事に戻っ
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