第95話 二尾
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.....」
こっちはこっちで大変そうである。
******
「どうします?私は超吹き飛ばした方が良いと思いますが」
「そうね。死体にしては明らかにおかしいし......旦那が居ればどうすれば良いか相談できそうね」
「サソリもなんともなければ良い訳よ」
まるで千切れた紙屑のような破断面に怪訝そうな表情を浮かべながら麦野はメルトダウナーの力を溜め始めた。
しかし、徐々に破断面に塵が集まり出していき。
「ククク......サソリカ」
「「「?!」」」
「ハハ......ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハー!!」
復活したマダラの身体に黒ゼツが纏わり付いて復活すると狂ったように笑い出した。
先ほどまで一つだけだった黒い尾が二本になり長い尾が黒い霧のように周囲を暗く照らし出した。
「サソリガ来ル?ソレハ無理ナ話ダ」
黒ゼツは回転するように頭部から自分粘り着いた身体を引き剥がすとマダラの手から札の付いたクナイを生み出して、握ると露出した生身のマダラの頭に染み込むように挿し入れた。
「な、何よコイツ?」
予想外の黒ゼツの行動に理解が追い付かない麦野達を尻目に黒ゼツは独壇場となった場で反応を期待しない演説をする。
「ヤハリ俺デハ操リキレン......頭数ガ減ルガ仕方ナイナ」
「?はぁ?」
「貴様ラノ能力ヲ最大限出セルノハ誰ダ?」
「??」
「隣ニ居ル奴カ?違ウナ......デハサッキノ娘カ?違ウ」
黒ゼツの身体が徐々に半分は腕に集まりだしてもう半分は鎧の中へと入っていく。
質問も話の内容も分からない麦野達は不気味なまでに悪巧みし、凍り付くような冷たい目を食い入るように見つめ続けた。
「本人ダ......精々頑張ルンダナ......地獄マデ」
鎧の中に入り込みマダラの身体の軋みが無くなると黒ゼツは表面にいる僅かな黒い身体でマダラの指を操ると印を結んで封印していた恐るべき化け物を解き放つ。
狸寝入りの術!
残りの黒ゼツの身体がマダラの肉体に入り込むとマダラの身体がガックリと力を無くして項垂れるが次の瞬間に写輪眼が開いてさっきまでとは比べ物にならない殺気が針のように麦野達を穿った。
復活した衝撃波で窓ガラスが粉々に砕け散る。
「......っ!?」
「戦争が始まったか......上手くやったようだな」
かつてサソリの居た世界で伝説の忍と言われ、強大な術で世界を支配しようとした最凶の忍『うちはマダラ』が学園都市で完全復活を遂げる。
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