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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
刀会 3
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姫である私に呪術戦をいどむだなんて、無謀ね。白兵戦のほうが少しでも勝てる見込みがあるんじゃない?」
土剋水。珊瑚の水を相剋しようと土行符に手をのばすが――。
「……ちょっと、なんのつもりよ」
珊瑚の水行符は水流となり琥珀を襲うわけでもなく、舞台の中央でひたすら水を吐き出している。
だが水は舞台の端から流れ落ちることはなかった。舞台上でおこなわれる呪術の影響を外部にもらさないための処置が、防御結界が作用しているからだ。
水かさはみるみる増して両者の膝上まで冠水した。
「そうか! 水を張ることで足の動きを封印じるつもりなんだ!」
運足、足運び、フットワーク、歩法……。武道において、いやそうでない日常生活においても足の動きというのは重要な位置を占める。戦闘で足の動きを制限されるのは致命的だ。
水の抵抗が足枷となり移動の範囲や動きをさまたげる障害物になっているのだ。
「で、でもあれじゃあ珊瑚ちゃんも水で動きが鈍っちゃうんじゃないの?」
「琥珀さんの俊敏な動きを封じることで白兵戦を五分の条件にまで持ちこめます。いや、身長と体格の差があるぶん若干ですが珊瑚さんのほうが有利です!」
「ふん、相剋すればおしまいなのに変わりはないわ」
舞台の上でなお水を流しつつある水行符に狙いをさだめ、土行符を放とうとする。
「その前に、あなたを倒しますわ」
珊瑚が駆けた。水の抵抗をものともしないスピードで琥珀に迫る。
「速い! でもどうして!?」
「彼女の足をよく見鬼るんだ。土行符が貼ってあるだろう、あれで水の抵抗を無力化しているんだ」
たしかに、いつの間にか珊瑚の両足には土行符が貼られ、呪力を放っている。
水という対象そのものを剋して消滅させるのではなく、対象からの影響のみを剋し、水の抵抗を無効化しているのだ。
「五行符にそんな使い方があるなんて……」
「呪術というのは奥深く幅も広い、術者の発想や機転一つでさまざまな応用が利く。Aに対してはBの方法で対処しなければならない。などということはない、CでもDでも、あるいは同じAでも使い方次第で対応できることもある。たとえば雨が降ってきた時は土行術で雨水を剋すこともできるが水行術でも防水できるし、それ以外の術でも応用が可能だ」
「なるほど……。ところで、ええっと……、あなたは祓魔官のかたですか? 失礼ですがお名前は?」
桃矢は先ほどから雄弁に語るとなりの男に恐る恐る声をかける。ペイントなのかタトゥーなのか、ひたいに『大往生』の文字が書かれており、どじょう髭で頭頂部を剃っているという異様ないでたちをしている。
あやしい。
はっきり言ってあやしい。
あやしさ大爆発だ。
「……俺のことは男塾先輩と呼んでくれ」
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