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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
刀会 3
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なかった。大人たちの中には。
「帰るぞ、シェイバ。暗くて静かな保管庫がお待ちかねだ」
「う、うん……」
ついさっきまで酩酊状態のようだったシェイバもまた鏡の登場に気がそがれ、唯々諾々と従った。
「……人を一人斬っておいて、それで終わらせるつもりですか?」
「あ?」
「僕があなたの式神、シェイバっていいましたよね。彼に襲われた時にかばって、殺された人がいるんですよ」
桃矢の視線が床に落ちた式符にそそがれ、鏡もそれを見た。もともと千切れかけていた式符は騒ぎで完全に切れたのだろう、両断されていた。
「人だと? 式のまちがいだろ」
「同じことです」
「いや、同じじゃねぇだろ」
「人の姿をして人の言葉をしゃべる人がいたら、それはもう人と同じです」
「プハッ! おいおいおいおい、笑わせてくれるなよ。人と式が同じだと? ちげえよ! こいつらは物≠セ。人じゃねぇ。霊力じかけで動く、ただのロボットだ。だから殺された≠カゃなくて壊された≠ェ正解だ。ついでに壊されたことだってこいつが悪いんじゃねぇ。斬られるほうが悪いんだよ」
「…………」
あまりの暴論に周囲から怒りと不快の声なき声があがるが、鏡はまったく異に介さなかった。
「その式神はおまえの物か?」
「いいえ、ちがいます」
「ならおまえが気にすることじゃあないな。……お〜い、この式符の持ち主はいるか〜? いるなら出てこーい、文句があるなら聞いてやるぞーっ! …………だれも名乗りでねぇな。なら問題なしだ、文句のあるやつは一人もいない」
「ここにいますよ、あなたの無礼な態度に文句のある人間が!」
「ほぉ、文句があるのか?」
「あります」
「どうして欲しい?」
「あなたの式神がしたことについて、あやまってください」
「そいつはお門ちがいってやつだ、こいつのしたことはこいつのせいだからな。おれのせいじゃねぇよ。……だが、おいシェイバ」
「え? な、なに?」
「このガキがおまえに責任をとれってよ、だから今すぐ腹を切れ」
「な?」
「え、ええっと。ごめん、伶路がなにを言ってるのかわからないよ」
「腹を切れ」
「い、いやだから……」
「今すぐ腹ぁ切れっつってんだろうがぁッ! このダボがぁ!」
鏡の手がひるがえり、呪符が打たれる。ナイフを象る簡易式はシェイバの腹部に命中し、深々と突き刺さった。
「ぐふっ」
うずくまるシェイバに近づいた鏡はナイフの柄を無造作につかみ、ぐりぐりとねじり込み、横に引き裂いた。
「い、痛い! 痛いよ伶路〜! やめてよっ! ひっ、ひぎぃぃぃッッッ!?」
腹部を激しいラグが明滅する。それはまるで残酷な映像にかかるモザイクのようで、実際に生身の人間を傷つけているかのような錯覚を見る者にいだ
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