ペルソナ3
1885話
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と後輪が影に沈んだ影響でだ。
「っと」
バイク諸共に倒れそうになっていた桐条を受け止める。
「きゃっ!」
桐条のような女が上げるにしては、珍しい程の可愛らしい悲鳴。
だが同時にライダースーツを着ている桐条は、その豊かな曲線を描くボディラインをこれでもかと強調していた。
ゆかりも年齢の割にはかなり女らしい身体だが、桐条はその上をいく。
……まぁ、私服で俺とお好み焼きを食べに行った時は、高校生ではなく大人に見られていたし。
客の何人かが、社長秘書に見えるとか何とか言ってたのを、俺の耳は聞き逃していない。
ともあれ、そんな成熟した大人の身体を持つ桐条だけに、バランスを崩したところを受け止めた俺はその柔らかさを思い切り堪能することになった。
「あ……そ、その……」
桐条にとっても、まさかバランスを崩して俺に寄り掛かる事になるは思っていなかったのだろう。
戸惑ったように声を上げ、何故か信じられないといった表情を浮かべて俺の方を見てくる。
「コホン」
そんな咳払いが聞こえ、それを契機にして桐条は我に返ったように顔を背ける。
「す、すまない。いきなり……って、これは!?」
「アクセルの影のゲートですよ。移動するから当然だと思いますけど?」
普段はそれなりに桐条との関係も修復してきた筈のゆかりだったのだが、今に限ってはどこか冷たい色があった。
「わ、分かっている。その、いきなりだから驚いていたのだ。それより、影のゲートでどこに出るのだ?」
誤魔化すように告げてくる桐条に、いつもの冷静な様子はない。
そんな様子に笑みを浮かべながら、俺は口を開く。
「取り合えずポートアイランド駅に転移する。モノレールが今どれくらいの速度で進んでいるのかは分からないが、それでもポートアイランド駅に向かってるんだろ? それとも、ポートアイランドから巌戸台の方に向かってるのか?」
「いや、巌戸台からポートアイランド方面に向かっている。……つくづく便利だな」
影に沈む感覚にも大分慣れてきたのか、桐条はそう言ってくる。
タルタロスからなら、それこそ瞬動を使って移動してもポートアイランド駅まではそう遠くはないのだが……それで移動出来るのは俺だけだしな。
そんな訳で全員が影に沈んでいき、やがて次に姿を現したのはポートアイランド駅の前。
……ここ、何だかんだで俺は滅多に使わないんだよな。
そもそも俺の場合、家から学校の近くまではこの影で転移してるし。
タルタロスが終わった後で荒垣を送ってくるとか、そんな時くらいしか用事はない。
そんな訳で、何だか久しぶりにやってきたようなこの場所で、俺は周囲の様子を見る。
影時間だけに、当然周囲にいるのは棺桶と化した者達
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