ペルソナ3
1885話
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から出ている髪の色を見れば、考えるまでもなく桐条だったのだが。
ともあれ、そんな理由で俺達の前にやってきた桐条だったが、その表情は突然バイクで現れた事を驚かそうとか、そういう表情ではなく……
「アルマー、力を貸してくれ!」
切羽詰まった様子で、そう叫ぶ。
「何があった?」
色々と聞きたい事はあったが、それよりも今は桐条に何があったのかを聞く方が先だろう。
桐条もそれは理解しているのか、端的に現状を口にする。
「モノレールがシャドウに乗っ取られて、動いている。このままではモノレールが止まらず、駅に入ってぶつかってしまう! しかも現在モノレールの中には明彦達がいるんだ!」
「何?」
その言葉だけで、現在の状況の危うさを理解する。
シャドウに乗っ取られたモノレールが動いているという時点で、それこそ脅威しか存在しない。
しかもその中に真田達……達とつくからには、恐らく有里と順平もそこにはいるのだろう。
動いているモノレールの中にいるのであれば、速度にもよるが脱出するのは難しい。
もし駅にモノレールがぶつかろうものなら、3人がどうなるのか。
考えるまでもないだろう。
ペルソナの能力を使って脱出出来ればいいのだろうが、脱出していないという事は何かがある筈だ。
「他に分かってる事は?」
「モノレールの中にはシャドウが1匹いる。以前有里が倒したような、イレギュラーのシャドウだ。そのシャドウがモノレールを操っているらしく、完全に閉じ込められている」
なるほど。脱出しようにも、そもそも脱出出来なかったのか。
その上でモノレールが走っているとなると……特攻か?
シャドウにどこまで自我があるのかは分からないが、それでも多少なりとも知能があるのは間違いない。
であれば、自殺までするか? とも思うが……そもそも、シャドウの死生観といったものが俺達と同じだとは限らない訳で。
「分かった。とにかく、まず最優先にすべきなのはモノレールを止める事だな?」
「ああ、そうだ。だが……モノレールに乗り込もうにも、モノレールはさっきも言った通り、シャドウによって完全に乗っ取られている。とてもではないが……」
「心配するな」
不安そうな表情で呟く桐条の言葉を、即座に断ち切る。
「え?」
「俺に任せておけ。真田達とは色々と付き合いもあるんだ。ここで見捨てるような真似は出来ない。……じゃあ、行くぞ」
「え? ちょっ!」
桐条が戸惑っている間に、ゆかりと荒垣の2人は俺の側にやってくる。
最後まで言わずとも、こっちの考えを察してくれるのは、非常に助かる。
まだ戸惑った様子の桐条だったが、不意にバランスを崩し……近くにいた俺の方に倒れ込みそうになる。
バイクの前輪
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