ペルソナ3
1885話
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ロスを出て、そのまま荒垣とゆかりを影のゲートで送って帰ろう。
そう思っていたのだが、影時間にも関わらず何故か聞こえてきた音があった。
「どうしたの?」
「アルマー?」
混沌精霊の聴覚だからこそ聞こえたのだろう。
その為、ゆかりと荒垣の2人は特に聞こえている様子はなく、唐突に声を漏らした俺の方に不思議そうな表情を向けてくるだけだ。
「いや、何か近づいてくる。しかも機械音。……となると、恐らく桐条の関係だろうが」
影時間の中で機械を動かす技術は、桐条グループの保有技術だ。
……まぁ、俺のニーズヘッグも動かせはするが、それは色々な意味で例外だろう。
そもそもニーズヘッグは宝具化してるし。
「え? ……あ、本当だ」
「そうだな」
やがて近づいてきたのか、ゆかりと荒垣の2人にも聞き取れるようになったのだろう。こちらの方に視線を向け、そう呟く。
「そういやぁ、影時間に動くバイクがどうとか以前アキに聞いた事があったが、それか?」
なるほど、真田がバイクに乗っているのか。
バイクに乗っているボクサー。
これで真田が不良だったら、完璧だな。
ともあれ、考えてみれば影時間ならバイクで暴走しても、突然飛び出してくるような相手はいない。
いや、俺達がいるが、俺達の場合は基本的に影のゲートを使って移動してるし。
ああ、タルタロスの外に出たシャドウがいるか?
もっとも、そういうシャドウが相手であれば、それこそ幾ら轢いても構わないと思うが。
そんな風に考えていたのだが……やがて姿を現したバイクを見て、俺の目は大きく見開かれる。
何故なら、その人物の身体が明らかに女らしい曲線を描いていたからだ。
つまりそれは、当然のようにバイクに乗っているのが女であるということを表しており、そして影時間の中で動ける女は、ゆかり以外だと桐条しかいなかったからだ。
「桐条、か?」
「……え?」
思わず口から出た呟きに、ゆかりが反応する。
そして遠くの方に見えたバイクを見ていたゆかりが、改めて俺の方に視線を向けてくる。
何も言わずとも、明らかに目で尋ねていた。
「間違いなく桐条だ」
決定的な一言に、ゆかりの口から驚きの声が上がる。
その気持ちは分からないでもないが……何気に活発的な桐条の性格を考えれば、この結果は必然ですらあったのだろう。
ちなみに荒垣の方は、最初から相手が桐条だと気が付いていたのか、特に驚いている様子はない。
ともあれ、そのバイクは俺達の前までやってくると、そのまま強引にスピンさせる……って表現でいいのかどうかは分からないが、とにかく停まった。
そうしてヘルメットを取ると、やはりそこにあったのは桐条の顔。
いやまぁ、ヘルメット
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