185部分:TURN18 ガメリカ共和国その七
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アメリカが右手を拳にして叫ぶ。
「首輪なんかなくすんだ!」
「その通りよ。やるわよ」
ハンナにしてもだ。植民地についてはアメリカと同じ考えだ。それで言うのだった。
「ガメリカは植民地に反対し各国を独立させたうえで」
「太平洋経済圏を確立するぞ」
「そうするわ。私達の主な戦場は太平洋よ」
「大西洋はどうするのさ」
アメリカ妹はガメリカのもう一つの戦域予想地域についてハンナに尋ねた。
「エイリスはマジでやばい感じだけれど」
「援助はするわ」
それはだとだ。ハンナは素っ気無い感じでアメリカ妹の問いに答えた。
「一応はね。けれどね」
「積極的にはしないって感じだね」
「エイリスがドクツに負けてもらっては困るわ」
「けれどなんだね」
「エイリスの力がそのままだと太平洋の植民地を手放さないから」
だからだというのだ。
「日本に植民地を奪われて本土もぼろぼろになってね」
「それで太平洋から撤退する程度には、ってことだね」
「ええ。ダメージを受けてもらうわ」
これがハンナの考えだった。
「そうなってもらうわ」
「よし、ではだ」
アメリカがまた威勢よく言う。
「開戦準備だな。一年か」
「任せて。一年あれば充分よ」
キャロルがすかさずアメリカに応える。
「日本をあっという間に蹴散らしてやるから」
「そして韓国と台湾も独立だな」
アメリカはピザを食べながら明るく話す。無論ルース以外の他の参加者も食べている。
「太平洋経済圏は目の前だ」
「はい。本当に今失業率も株価も安定していますので」
クーはニューディール政策の成果を見て話した。
「開戦で特需があればさらにいいかと」
「ただ。戦争での特需はたかが知れているわ」
ハンナは戦争そのものについては然程重視してはいなかった。何でもないといった態度にそれが出ている。
「軍需産業は設備や技術への投資に予算がかかるけれど実入りは少ないから」
「市場が限られてるのよね」
キャロルが肩を竦めさせてこう述べた。
「キリング財閥としても普通の船とかあと飛行機の方がずっと売れてるのよ」
「軍需産業よりも他の産業」
ドロシーも淡々と言う。
「そちらに力を入れるべき」
「ドロシーの言う通りよ。資産主義は共有主義ともファンシズムとも違うわ」
国家システムも経済体制もだ。何もかもが違うというのだ。
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