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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
刀会 2
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刀会。
武道実技をかねたクラス対抗の紅白戦は巫女クラスの中でも派手で盛り上がる人気講義の一つだが、今回のそれはいつもよりさらに盛り上がりを見せた。
例年ならば陰陽寮地下にある呪練場でおこなわれる行事なのだが、今回は陰陽庁に隣接する呪練場。通称『呪道館』で開催されることになったからだ。
伝統武道の普及と奨励、心身錬磨の大道場としての役割をになうことを趣旨として設立された東京都千代田区にある本家日本武道館がアイドルやアニメ声優といった芸能人らのコンサート会場と化したなかで、この呪練場だけはそのような大衆の娯楽施設になることなく本来の役割をまっとうしていた。
この場所でおこなわれるようになったには理由がある。一つにはこの時期に呪道館が空いていたこと、ひとつには巫女クラスの存在が陰陽庁内でここ最近なにかと話題になっており、はたしてその実力のほどはどのようなものか、機会があれば見てみたいという意見が多くあがり、今回のような流れとなったのだ。
アメリカ国防総省を思わせる五角形の外観は陰陽道の
五芒星
(
セーマン
)
を模したもので、高純度の呪力の練り込まれた注連縄、高い霊気を宿す磐座、清らかな盛り塩、青々とした榊、様々な種類の護符――。陰陽庁や陰陽塾と同様、いやそれ以上に堅固な結界が外部にも内部にも大小無数にほどこされている。
場所が場合である。血気盛んな若き祓魔官や呪捜官が禁呪まがいの大技を繰り出すことも多々あり、呪力が外に漏れ出さないように造られていた。
甲種呪術の練習、競技場としては国内最大規模で、フェーズ4。百鬼夜行級の霊災に見舞われても耐えられるとさえ言われている。
まだ開会前だが観覧席は多くの人でうまっていた。いずれも陰陽庁の職員、呪術関係者だ。ぶざまな姿は見せられない、八〇人近い巫女クラスの生徒たちは緊張の色を隠せない。
「あら、石戸さん震えてらっしゃるの?」
「こ、これは武者震いよ。そう言う神代さんこそ何度もお手洗いに行って緊張しすぎなんじゃない?
生体尿管カテーテルでも用意したら?」
そんな中で比較的落ち着いているチームがあった。第一試合であたる緋組拾参番隊と白組壱番隊だ。だが白壱番隊のほうにいるはずの二人、七穂氏白亜と十字眞白の姿が見あたらない。
「琥珀さんだけ!?」
「ええ、そう。あの二人には案件を追ってもらってるから遅れるのよ。第一試合には間に合わないわね。その間は私が相手してあげるわ」
「……たいした自信だな。じゃあ琥珀に勝つってことは、壱番隊に勝つってことでいいのか?」
内に湧き起こる怒りを押し殺し、おさえた声音で問いかける紅葉。一人で三人、いや桃矢を入れて四人を相手にするなど、バカにしている。
「あなたこそ『たいした自信』ね、二之宮紅葉。私に勝てるつもりだなんて……。そう
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