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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
刀会 2
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うな気もするし」
「だれかになにを言われても気にすることなんかないのに、あなたは立派にやってるわ」
「そうだよな、おれは立派にやってるよな。……しかし母さん、最近は情緒不安定だな。あんなんでちゃんと仕事できてるのかな?」
「一度お医者様に診てもらった良いんじゃない?」
「ああ、そうだな……」
その時ぎしぎしと床がきしむ音がした。誰かが部屋の外にいる。また母さんか。うんざりした周一が口を広くより前に戸が開いた。
「こんばんは、お邪魔します」
「邪魔するわ」
「お邪魔しますね」
老いた母親などではない、そこにいたのは三人の少女たちだった。千早、襦袢、白衣が一つになったような上着と緋袴のようなキュロットスカート。神道の巫女装束のようなデザインをした紅白の着物。陰陽塾巫女クラスの制服に身をつつんでいた。
「おひさしぶりです、周一さん。春から陰陽塾に通うことになった二之宮紅葉です。この二人はルームメイトの――」
左右の目の色がちがうツインテールの四王天琥珀。昔の女学生のようなポニーテールにリボンつきカチューシャをした十字眞白。
天下の陰陽塾塾生。それも恰好から察するに巫女クラスの生徒が三人も現れた。唖然とする周一をよそに自己紹介をすませた紅葉、琥珀、眞白は返事も聞かずに部屋の中に入り、あたりをうかがう。三人の視線がテーブルの上にむかう。
大皿に盛られた肉じゃがが湯気を上げていた。
ついさっき完食したはずの料理が、箸もつけられていない、できたての状態でそこにある。
「……とても美味しそうですね。せっかくだから私たちもご一緒させてもらっていいですか?」
妙に冷めた目でそれを一瞥した紅葉たちは部屋に入った時と同様に周一の返事も待たず、おのおの腰を下ろす。琥珀は引き戸の前、眞白は窓側、紅葉は周一と妻との間に正座する。これは部屋の中にいる者を外に出さないような配置に見えた。
(おいおい、ずいぶんとあつかましい子たちだな……)
これだから親戚はきらいだ。親族だから、血縁者だからとプライバシーも遠慮もなしにズケズケと人のテリトリーに入ってくる。
「周一さんがすごい美人のお嫁さんをもらったって聞いたんですけど、この人がそうですか?」
妻の話題になったとたん周一の不機嫌な表情が一転、喜色を浮かべて語り出す。
「ああ、そうだよ。さやかは良くできた嫁さ。おれの仕事が家で一日中パソコンにむかう仕事なんで、つきっきりで世話してくれるんだぜ。作る料理も美味いし……。おかげでこんなに太っちゃったけどな」
太っていると、そう言った周一はみずからの腹をなでた。枯れ木のように痩せ衰えた細腕が、たるんだ皮だけのへこみ腹をなぞる。
「――あなたがすてきだからついて行くのよ、周ちゃん」
「いやいや
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