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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
刀会 1
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国拳法も同じであり、蔡李佛拳という流派など、あのブルース・リーをして『大勢の敵と戦うのに最も効果的なスタイルである』と言わしめた。
あらゆる方向に身体を転身しつつもバランスをたもち、姿勢をくずさずに受け流し続ける桃矢。
男たちが飽きるか疲れるかして退くまでこうしていようかと考えた矢先、男の一人が奇声をあげて朱音にむかっていった。
「朱音ちゃん!?」
八つ当たりの攻撃か、それとも人質にでもしようと思ったのか。狼狽した桃矢の口からあせりの声がもれた。
「えいや〜」
えらくのんきな響きのあるかけ声とともに朱音が腕をふるうと、打撲音とともに男が倒れる。朱音の手には竹薙刀が握られていた。
さっきまで素手だったのにどこからそのような物を取り出したのか? 桃矢は数拍の間をおいて、それが薙刀を象った簡易式苻だと気づいた。
「とりゃ〜」
ふたたび緊張感のないかけ声。だがそれとは裏腹に痛烈な打撃が倒れた男の顔面にあびせられ、赤い花を咲かせた。
「っけんなっ、バッカっ、チネっ」
くみしやすいと思っていた女子にまで武器で反撃され、鼻血をまき散らしてほうほうのていで一人が逃げ出すと、他のメンツもそれに続いて遁走し出す。しょせんは群れなければなにもできない雑魚である。
「んも〜、なんなのアレ。ほんと最悪! 激おこぷんぷん侍だよっ。いきなりナンパしてきて、いきなりキレるとか、わけわからない!」
「あ、朱音ちゃん。だいじょうぶだった?」
「うん。へーき、へーき。あ、痛っ」
「どこかケガしたの!?」
朱音の親指と人差し指の間に血がにじんでいた。あまりに力んで薙刀をふるったので生じたものだろう。
「ちょっとこすっただけ。それより桃矢くん、やっぱりすごいよ! あんなに動けるなんて、まるでジャッキー・チェンだね! ジェット・リーだね!」
我がことのように喜びはしゃぐ朱音とは対照的に桃矢の心中には自責の念が広がっていた。
自分が暴力から逃げた結果、かすり傷とはいえ彼女にケガを負わせ、そして人を傷つけさせてしまった。
戦うべき時に時に戦わなければ、自分どころか大切な人があぶない目に遭うし、その手を汚してしまうこともある。
そんなあたりまえのことに、たった今気づいた。いったい今までなんのために武道を習っていたのだろう。
技だけではだめだ。戦うには心が必要であり、自分にはそれがない。桃矢はそのことをたった今、痛感した。
「――それで人を痛めつけても平気な人間になりたいと思ったわけか」
種を取ったスモモを鍋に入れ、砂糖とくわえ、レモンをひと絞り。厨房に立って作業をしつつ、秋芳はあえて身も蓋も無い、意地の悪い言い方をしてみた。
ここは道玄坂にある、かつてバ
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