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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
刀会 1
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とが必要であり、それに下手を打たないよう日頃から物事をよく学び、考える癖をつけておくんだ。いいか、脳というのは使うことで研ぎ澄まされる器官なんだ。思考を自分に課す者は、それだけ脳の機能が先鋭化している。そいつがどんなに馬鹿に見えても、思考を好む人間の脳は、どこかしら必ず発達している。使い方をまちがわなければ、それは大きな力になり得るんだ。だから考えるのを止めてはいけない。勉強でも人生でも思考停止は楽だが、それに安住すると脳の成長はそこでおしまい。論理、計算、想像、妄想……、なんでもいいから考えるんだ。思考をすれば必ず脳は応える。脳はそのための器官だからな」
あまりにあさっての方向に飛ばしすぎて生徒一同『?』となることもあったが、賀茂先生の脱線授業はおおむね好評だった。
アクセサリーショップやゲームセンターなど、桃矢と朱音はジャンボパフェをやっつけてフルーツパーラーを後にしてからも街中を散策し、呪術と縁のない日常というものを楽しんで、帰ろうかという時にそれは起こった。
女の子の二人連れ。そう思って声をかけてきた若い男たちがいたのだが、桃矢が男と知ると自分たちの見誤りを恥じての逆ギレか、急に乱暴な口調になり大声で恫喝しだした。
「オラァ、なめてんのかっ」「ゴラァ、死なすぞっ」「オラァ、ふざけんなっ」「ゴラァ、ちょずくな」
オラとゴラからなる、あまりにも語彙に乏しい男たちの言語のうったえるところは『金を出せ』だった。
(うわぁ、めんどくさいなぁ……)
かつての桃矢だったなら恐怖に立ちすくんでいたであろう。だが今の桃矢は秋芳の指導のもとに武の技を身につけていた。暴力の気配に緊張はしている、だが彼らに対する恐怖は感じない、怖くはなかった。
「っめんなよっ、ゴラァっ」
男の一人が桃矢めがけて拳をふるった。桃矢はとっさに五行拳の一手をくり出し、それを防ぐ。崩拳の一打が男を打ちすえた。かの見えたのだが、桃矢の拳は寸止めに終わった。
「っんだ、っこのっ、オカマ野郎っ、けんなっ」
男の腰の入っていない大ぶりのケンカフックにケンカキックはいずれも不発に終わる。
炮拳がうなり、劈拳が空を切る。だがいずれも寸止めに終わった。桃矢は相手に拳をあてる気にはなれなかった。殴られる痛さは身に染みて知っている。
だがそのことが男たちをさらにいきどおらせた。なめられていると思ったからだ。
数人がかりででたらめに殴りかかる。たまに武道の技は一対一の戦いを想定しているので実戦では使えない。という意見を聞くが、一対一の戦いを念頭においているのはむしろ近代スポーツ格闘技のほうであり、慈恩、太極、
鉄騎
(
ナイファンチ
)
、
平安
(
ピンアン
)
――。伝統空手に伝わる型の多くは一対多数を想定している。これは中
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