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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
刀会 1
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が損失してしまった。この剣を元に戻すよう村上天皇に命じられた晴明は役目を見事に果たしたという逸話があるが、これなど年代的にみてまだ業績の浅い晴明に勅令が下るのはおかしい。師である賀茂保憲の功績ではないかといわれる。
「なぁに? ま〜た春虎がごねてるの?」
美しい声とともに亜麻色の髪をアップにした少女が姿をあらわすと、まるで大輪の華が咲いたようにきらびやかな気が呪練場に満ちた。ぱっちりとした瞳に長いまつ毛。健康的な肌色にローズピンクの唇。可憐にして豪奢な美貌と均整のとれたスタイルの持ち主。倉橋京子だ。
「巫女クラスの生徒と模擬戦をおこなうと言ってたけど、迷惑はかけてないだろうね、春虎?」
黒絹のような髪に白磁のような肌をした怜悧な美少年、土御門夏目が続く。
「相手が巫女さんだからって鼻の下のばしてたら、足もとすくわれちまうぜ」
ひたいにヘアバンドを巻いた目つきの悪い少年、阿刀冬児。
「あれ? たしか巫女クラス唯一の男の子だって話だよ」
地味眼鏡、百枝天馬。
春虎の自己練習につき合うことの多い、いつものメンバーたちがやってきた。
「それ、マジかよ天馬?」
「うん、たしか梅桃桃矢くんだったよね」
「なんだって!?」
血相を変えた夏目が桃矢に近づくと、その顔をじっと見つめる。
「な、なな、なっ、なんでしょうか、僕がなにか?」
噂の『すごいほうの土御門』につめよられ、思わず後ずさりをしてしまう。
「……そうか、君も同じなのか」
「は?」
「みなまで言わなくていい。わかるよ、君の気持は。うんうん、木ノ下先輩だけじゃなかったんだね。世間は広いようで狭いんだな、感動だよ!」
「は、はぁぁ?」
どこかでだれかにしたのと同じようなかんちがいをした夏目が興奮して桃矢の手をとる。
「呪術戦の相手が必要ならばくも一肌脱ぐよ、遠慮しないでくれ」
「あら夏目君のほうからそんなこと言うなんて珍しいわね。でもあたしも巫女クラスの子の実力には興味あるわ、ひとつお相手願おうかしら」
「あ〜、俺もいいか? いつも春虎の見てばっかだったからな、たまには運動したくなってきた」
「あ、あれ? 僕もしなくちゃダメな流れなのかな? かな?」
めずらしいことに夏目と京子に続いて冬児と天馬も手合せに立候補してきた。
刀会本番までの間、桃矢は模擬戦の相手には不自由しなくなった。
そして、一週間が経った――。
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