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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
刀会 1
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陰陽塾地下呪練場。
「せいっ」
「やっ」
「たぁっ」
竹と竹の打ち合う乾いた音と乙女たちのかけ声がひびき渡る。いよいよ一週間後にせまった刀会。武道実技を兼ねたクラス対抗の紅白戦にむけ、巫女たちの稽古には常にない気合が込められていた。
女子とは思えぬ猛々しい荒稽古。巫女クラス唯一の男子である
梅桃桃矢
(
ゆすらとうや
)
もそのような中にまざって竹薙刀をふるっている。
桃矢はくり出される打撃を受け流し、避け、突き返す。
「あ!?」
クラスメイトの首筋に打ち落とされようとした竹薙刀は寸前で止まった。
「すごい。梅桃君てば、いつの間にあんなに強くなったの?」
「拾参番隊のお荷物だと思ってたのに……」
「呪術のほうも凄いのかしら?」
あなどっていた桃矢の思わぬ実力に周りからおどろきの声がもれる。
だが一番おどろいているのは他でもない、桃矢自身だった。
(身体が勝手に動いてるみたい。こんなふうに戦えるだなんて、自分でも信じられないや)
桃矢は秋芳の指導のもと、五行拳の修行に励んでいた。もっぱら套路と呼ばれる型稽古に近いものだったが、それでも成果は出ていた。
型の動きというのは身体の運用理論であり、実戦に対応するための動きを作り上げるために必要なものだ。型にはちゃんと意味がある。
武道の型にはすり足をもちいた独特の重心移動や軸の固定など、日常的な動きから離れた身体運用を要求してくる部分が多い。
これらの動きを身につけるのはとても困難ではあるが、型の要求通りに正しく動くことができれば動きの質が変化する。肉体ではなく神経レベルで戦える身体≠ノなるのだ。
常人がその動きに反応するのはむずかしい。
もちろん表面の動きだけを似せるだけではだめだ。そのような形骸化した型稽古にはなんの意味もない。
型稽古というのは型の動きをおぼえるのではなく、型を通して戦いの動きをおぼえることに真の意味があるのだ。
桃矢はただ型をなぞるような練習はせず、その動きを自分のものにしていた。
稽古が終わると同じ拾参番隊のメンバーたちが桃矢に駆けよる。
「やるじゃないか桃矢、見直したぞ!」
長い黒髪を後頭部でたばねて腰まで垂らした少女が、息せきかけて声をかける。二之宮紅葉だ。
「今まで打たれっぱなしだったのがうそのようだ、やればできるじゃないかっ」
「薙刀とは関係ない中国拳法の修行をしていると聞いた時はどうかと思いましたが、杞憂だったみたいですね」
「桃矢くんがいれば百人力だよ、もう刀会は桃矢くんに全部おまかせしちゃう!」
続いて眼鏡をかけた長髪の三亥珊瑚と一の瀬朱音も喜色の色を浮かべている。
称賛の声は拾参番隊以外からもあがり、桃矢をよろこばせた。
チヤホヤされた
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