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艦隊これくしょん〜侵食された者の決意〜
プロローグ
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がれ!」
もう一度スロットホルダーのボタンを押し、二度目のクリティカルストライクを発動。威力を増大させ、敵の総大将目掛け飛び続ける。
オノレ…!
砲撃が飛び交う。
が、しかしそれは当たらない。だが俺の身体は間違いなくダメージを受けている。
「俺の命くらい持って行かせてやるよ!でもあいつ等の命と明日は奪わせねぇ!!」
そして、その渾身の一撃は総大将格であろう深海棲艦に深く入り、その爆発に俺は飲まれた。
だが、その時ふと思ってしまった。
〈ああ、でもやっぱり…〉
〈あいつ等ともう少し、過ごしていたかった気がするな…〉
〈それに…瑞鶴…あいつとも、もう少し…〉
そしてそこで俺の意識は途絶えた。




『…』
一人の深海棲艦は海に立っていた。名は空母ヲ級。ただ一人、人との交流を持っており、この地にいた物好きな深海棲艦。他の深海棲艦とは違い、ちゃんとした言語を介し、ちゃんとした思考を持った深海棲艦の中でも異端者〈イレギュラー〉。
その日、彼女は街から離れていた。だから突然の深海棲艦大進行や鎮守府壊滅の事件は知らなかった。
『…あの人は』
ヲ級は海に浮かぶ人を見つけ、近付く。
それは紛れもなく、ヲ級との最も交流が深かった人であり、また恩人でもある鎮守府の提督だった。
身体はボロボロで、彼のモチーフでもあった軍服は焦げ、生きているのか死んでいるのかも分からなかった。
だが、これはただ一人で戦い、そして散ったのだと唐突に悟った。
『…そんな、こんな事って…』
だが、ヲ級は首を振り、艦載機を出して周囲を索敵する。
『…他の生存反応無し。この人の捜索は恐らく出されていない…』
ヲ級は彼をお姫様抱っこで抱えると、戻ってきた艦載機を収納する。
『ごめんなさい…許されないかも知れない。許してくれないかもしれない…でも、貴方は生きるべき人だから…』
ヲ級は航行を開始する。何処へ行くのかは、まだ分からない。
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