第百三十話 最後の花火その十
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「自然とね」
「何時かね」
「そうなっていくのね」
「うん、悪いことを続けてね」
まさにそのせいでだ。
「自業自得みたいにね」
「そういえばそうかしらね」
「悪い奴っていなくなってくわね」
「何時までもいないわね」
「何か自然にいなくなるわね」
「目の前からね、だから無視すればいいよ」
僕は言いつつ次の花火を探した、もうそろそろ最後だ。
「そうした人は」
「構わずにね」
「下手に向かわずに」
「そうしてよね」
「いなくなるのを待っていればいいってことね」
「うん、一刻も早く何とかしないといけない奴もいるけれど」
吐き気を催す邪悪、ダオさんがさっき言った言葉がさらに強く出た奴だ。もう心が人間じゃなくて別の何かになっている様な奴だ。
「さもないとより多くの人が不幸になる」
「そうした奴はすぐに何とかして」
「警察に放り込むなりして」
「そうするべきだけれど」
「そうでもない人はね」
「うん、別にね」
そこまでしなくてもだ。
「いいよ、普通に悪い奴ならね」
「いなくなるのを待つ」
「それだけで」
「いじめとかはまた別だけれど」
そうしたことをする奴や行為はだ、僕はこれまで然程酷いものは幸いにして見たことはないけれど聞いたことはある。
「普通に悪い奴はいなくなるよ」
「それで関わらない」
「それでいいわね」
「そう思うよ、じゃあね」
「ええ、それじゃあ」
「あと少しだけれど」
二人も花火があと少しなのを見ていた、そのうえでの言葉だ。
「最後までしましょう」
「線香花火までね」
「線香花火まであと少しだね」
見ればそうなっていた、本当にいよいよだ。
「最後のね」
「そうよね」
「かなり遊んだけれどね」
「もうそろそろね」
「最後よね」
「じゃあ最後は」
二人も残り少ない花火を取りつつ言う。
「線香花火ね」
「取っておいたしね」
「そうだね、もう最後はね」
またこの話になった。
「線香花火しかないよ」
「他の場面でも使う気になれないし」
「それね」
「うん、それで花火の後はね」
その線香花火のだ。
「お酒だけれど」
「梅酒よね」
「そのお酒ね」
「夏だからね」
また言うが梅酒はもう夏だけのものじゃないけれどだ、もっと言えば西瓜やかき氷も夏だけのものじゃなくなっている。
「飲もうね」
「夏ね、まだ涼しいよね」
「そうよね」
夏と聞いてだ、ダオさんとラブポーンさんは二人でこうした話もした。
「日本の夏はね」
「ベトナムやタイの夏と比べたら」
「涼しいね」
「そうよね」
「あっちの夏は暑いから」
「もっとね」
「ああ、日本の夏はね」
僕も言われて思い出した、日本の夏は東南アジアの夏と比べると涼しい。あち
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