第百三十話 最後の花火その八
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「巨人があることは何でも正しくて他のチームを憎むし」
「その憎むってアウトよ」
ダオさんは持つ花火に火を点けつつ話した。
「野球というかスポーツでね」
「そうだよね」
「というかそうした人って目が違うわね」
「正直言ってね」
あのガチャ目でスキンヘッドの奴もだ、正直テレビでおかしなことを喚いていてチャンネルを何度変えたかわからない。
「おかしな目になってるよ」
「おかしな人間性が出てよね」
「なってるわね」
「そう、本当にね」
不倫をされたタレントさんに不倫された御前が悪いとか平然と言う奴だ、どんな倫理観なのか本当に不思議だ。
「だからそんな風になるんだよ」
「カルト教団に入るのね」
「巨人が絶対っていうね」
その巨人真理教にだ。
「ああした人になるんだよ」
「そうよね」
ダオさんは派手に音を出して噴く花火を見つつ述べた。
「おかしな人が余計にね」
「例えば番長とか言われていても」
「ああ、いたわね」
「そんな人もね」
ダオさんだけでなくラブポーンさんも僕も言葉で誰のことかわかった、よくも悪くも日本では有名な人だからだ。
「正直柄悪かったわね」
「刺青して変な髪型してお髭生やして」
「服装もそうした感じの人で」
「見ているだけで駄目だってわかる人だったわ」
「その人が現役時代に番長って持て囃してね」
そしてだった。
「余計に舞い上がって変になったんだよ」
「つまり甘やかしてつけ上がらせたのね」
「巨人の選手ってことで」
「そうだったんだ」
本当にこう言ってよかった。
「それで挙句にああなったんだ」
「巨人の選手だからってそんなことしたら」
「どうしようもないじゃない」
「そうなんだよね、だから挙句ああなったんだ」
僕も花火を持っていた、その花火を見ながら言った。
「川藤さんとはまた違うんだ」
「そうよね」
「そうした人達はね」
「あの人達は質のよくないタレントだけれど川藤さんは違うよ」
「いい人よね」
「野球を知ってるだけあって」
「そう思っていいよ、何しろ元プロ野球選手だから」
高校時代から怪我に悩まされてきた人でレギュラーにはなれなかったけれどだ。
「そこはわかってるんだ」
「そうなのね」
「あの人は」
「そう思っていいよ、真の心がある人だから」
それでだった。
「そこは違うよ」
「何ていうかね」
ラブポーンさんも花火を持っている、その花火を見つつ言った。
「日本もいい人と悪い人が入り混じってるわね」
「うん、他の国と一緒だよ」
「そうよね」
「どの国も一緒だね」
本当にだ、八条学園に来ている人達の祖国、世界の他の国と同じだ。日本も。
「紳士もいれば下品な人もいるしね」
「そうよね」
「うん、色々だよ」
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