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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
第百三十話 最後の花火その七
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「あの人らしいね」
「そうよね」
「うん、ただね」
「ただ?」
「よくこの人知ってるね」
 ラブポーンさんにこのことを聞いた、ねずみ花火を観ながら。
「二人共」
「だってよく観るから」
「テレビとかでね」
「暑中出てるわよ」
「あの人はね」 
 川藤さんはというのだ。
「だから外国の人でもね」
「八条学園にいたら知ってる人多いわよ」
「元プロ野球線選手でトラキチ」
 所謂熱狂的な阪神ファンだ。
「そうした人だから」
「よく知ってるわよ」
「外国の人達の間でも有名になるなんて」
 僕は考える顔になって言った。
「あの人も凄いね」
「川藤さんもっていうのね」
「そうなのね」
「うん、阪神愛の凄い人だから」
 その愛し方が親しみが持てるタイプなので余計にいい、巨人ファンのガチャ目でスキンヘッドの奴とか落語家くずれのしゃもじを持って他の家の人の御飯を漁るだけの奴とか名球会に言っても覚醒剤で捕まった奴に比べれば遥かにいい。
「あの人は知られてもらえると嬉しいよ」
「海外の人からも」
「そうなのね」
「とてもね」
 実際にだ。
「そう思うよ」
「そうなのね」
「川藤さんについては」
「うん、あの人はきついことを言ってもね」
 それでもだ。
「憎めないしね」
「だって悪い人じゃないから」
「このことがわかるから」
 だからだというのだ、二人も。
「嫌いじゃないわ」
「きついことを言う時もあるけれど」
「阪神への愛情感じるから」
「それもかなりね」
「嫌いになれないわね」
「あの人もね」
 川藤さんもというのだ。
「愛情があるとね」
「やっぱり聞かないとって思うから」
「そうじゃない人はね」
「もう罵ってばかりだとね」
「誰が聞くかってなるわね」
「どうしてもね」
 二人でそうした人についても話していた。
「だからあの人は阪神ファンに愛されてるのね」
「確かな愛情もあるから」
「人間味もあって」
「そのせいで」
「うん、思いやりも深い人でね」
 何しろ目立たない選手へのフォローも忘れない人だ、僕は川藤さんについてはこのことも凄いと思っている。
「嫌味さが本当にないんだよ」
「そうそう、テレビで喚く巨人ファンのタレントと違ってね」
「下品でもないのよね」
「巨人が負ける筈ないとか言わないし」
「そんなおかしなこともね」
「あれはカルトだから」
 所謂巨人真理教だ、日本に巣食うおぞましい邪教だ。
「もう巨人が絶対で巨人が正しいっていう」
「そうした宗教よね」
「今年も絶賛最下位になりそうなのに」
「まだそう言うのね」
「邪教とか」
「そうなんだ、あの人達はね」 
 その巨人真理教の人達はだ。
「もう巨人だけあったらいいから」
「野球
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