第十九幕:夏の海に弾む虹
[9/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
きたよ・・・露天の方で」
七夏「そうなのですね♪」
心桜「お兄さん! 露天に居たの!?」
時崎「まあ、軽く・・・だけど」
心桜「あー、居るんだったら突撃しとけば−−−」
笹夜「心桜さんっ!」
心桜「わわっ! 笹夜先輩! 早いですねっ!」
笹夜「え!?」
心桜「髪乾かすのに、もう少し時間掛かると思ってたんですけど」
笹夜「もう・・・」
七夏「くすっ☆」
凪咲「お料理、できましたから、どうぞこちらへ」
心桜「ありがとうございますー!」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
夕食を頂いた後、少し休憩して、みんなで花火を楽しむ。
七夏「これ、どうするのかな?」
時崎「あ、それは吊るして使うんだよ。物干し竿、使っていいかな?」
七夏「はい☆」
俺は物干し竿に花火を吊るす・・・。
時崎「えっと・・・火は・・・」
心桜「お〜に〜ぃ〜さ〜ぁ〜ん〜」
時崎「うぉわ!」
心桜「こ〜れ〜つ〜か〜い〜な〜よ〜ぉ〜」
時崎「あ、天美さん・・・」
七夏「もう・・・ここちゃー!」
笹夜「それ・・・花火・・・なのかしら?」
天美さんは青白い不気味な光を手元でゆらゆらさせていた・・・その光の影響か「それらしい顔」になってて、ちょっと怖い。
時崎「ひとだま花火・・・か」
心桜「っそ! 火種にどぞー」
時崎「あ、ありがとう」
ひとだま花火から命を貰った吊るし花火は、回転しながら、華やかな光を放ち、みんなでその花火を眺めていたのだけど、様々な色に変化するこの花火、七夏ちゃんにはどのように見えているのだろうか?
七夏「綺麗・・・」
笹夜「・・・ですね♪」
七夏ちゃんが、花火を見ている表情からは、この花火がどのように見えていても「綺麗な花火である事に変わりはない」と話してくれているように思えた。
心桜「あ、終わっちゃった・・・綺麗なんだけど、一瞬なんだよね〜」
笹夜「ですから、その一時をより大切に思えるのです♪」
七夏「はい☆」
心桜「んで、不気味なだけあって、そっちの方はしぶといね〜」
時崎「ん?」
そう言いながら、天美さんは俺が持っている「ひとだま花火」を指差した。
笹夜「心桜さん・・・」
高月さんが、呆れた様子で苦笑いしている。
心桜「なんかこう、未練がたらたらあるような不気味さもあって、なかなか秀逸な花火だよ・・・それ」
時崎「未練か・・・自縛霊みたいな・・・あっ!」
心桜「・・・落ちた! ここまでか〜・・・たまや〜ならぬ、くちおしや〜」
笹夜「心桜さん・・・どこでそんな言葉を・・・」
心桜「ん? お爺ちゃん!」
時崎「とりあえず、これは成仏させとくか・・・」
心桜「え!?」
俺は、ひとだま花火の亡骸の切れた糸の部分から持ち上げて、水の入った
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ