第十九幕:夏の海に弾む虹
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俺は、高月さんの体全体が日影で覆われるようにパラソルの向きを調整した。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
心桜「つっちゃー、何見てんの?」
七夏「あ、ここちゃー。えっと、ヤドカリさんです♪」
心桜「あ、ホントだ。二匹いるね〜」
七夏「はい☆ 仲良さそうです♪」
心桜「ん?」
七夏「どしたの? ここちゃー?」
心桜「これは・・・仲良さそうに見えるの?」
七夏「え? 違うの?」
心桜「なんか、嫌な予感がする・・・」
七夏「え!?」
心桜「あ゛っ!」
七夏「ひゃっ!」
心桜「うわぁー、コイツ、相手をヤドから引きずり出したよー」
七夏「ど、どおして?」
心桜「ヤドの強奪!!!」
七夏「えっ!? そんな・・・」
心桜「やっぱり・・・コイツ、相手から強奪したヤドに入ったよ・・・」
七夏「仲良しさんじゃなかったの?」
心桜「残念ながら、そうじゃないみた・・・ん?」
七夏「まだ何かあるの?」
心桜「強奪された方が、強奪した方のヤドに入った!!!」
七夏「これって、お家の交換なの!?」
心桜「そうだろうけど、見たところ、お互い合意じゃないのは確かだよね」
七夏「ちょっと、可哀相・・・です」
心桜「んー、まあ、そうなんだけど、弱肉強食の世界だからね・・・。皆、生きる為の行動だから・・・」
七夏「それは、そうなのですけど・・・」
心桜「可哀相だけど、命を狙われなかっただけまだ・・・ん?」
七夏「あれ?」
心桜「コイツ、さっき強奪したやつから、また強奪しようとしてない?」
七夏「えっと・・・私たちのお話が通じたのかな?」
心桜「いやいやいやいや・・・さすがに、それはない!」
七夏「じゃあ、どおして・・・」
心桜「あ゛っ!」
七夏「ひゃっ!」
心桜「うわぁー、コイツ、また同じ相手をヤドから引きずり出したよー」
七夏「ど、どおして?」
心桜「ヤドの再強奪!!!」
七夏「そんな・・・」
心桜「きっと、強奪したヤドが思ったよりも、しっくり来なかったんだろうねー」
七夏「だからって・・・」
心桜「やっぱり・・・コイツ、相手から再強奪したヤドに入った・・・んで、強奪された方が、強奪した方のヤドに入った!!!」
七夏「元のお家に戻りました・・・良かった」
心桜「なんというか・・・」
七夏「どしたの? ここちゃー?」
心桜「コイツッ!!!」
七夏「ひゃっ!!!」
心桜「どっか行けぇーーー!!!」
七夏「こ、ここちゃー!!!」
心桜「ふー、かなり遠くまで飛んでったねー・・・海へぽちゃ〜ん!」
七夏「そんなに、思いっきり投げなくても・・・」
心桜「さすがに、今のは身勝手過ぎて、イラッときた!」
七夏「もう・・・」
心桜「もう・・・一生出遭うことがないように、お手伝いしてあげた訳ですなぁ〜」
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