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翠碧色の虹
第十九幕:夏の海に弾む虹
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ちゃんも、一緒に!」
七夏「え!?」
時崎「ここに来て」
七夏「は、はいっ!」

俺は、浮き輪をした天美さん、浮き輪なしで泳ぐ高月さんと、七夏ちゃんをファインダーに収め、シャッターを切った。

しばらくすると、天美さんと高月さんも、戻って来た。

時崎「お疲れ様。天美さん、高月さん」
笹夜「お疲れ様です♪」
心桜「ありがとーお兄さん! ・・・はいっ! 笹夜先輩! 紅茶!」
笹夜「ありがとう。天美さん♪」
七夏「少し遅くなりましたけど、お弁当もありますから、どうぞです♪」
心桜「確かに、泳いだらお腹減ったよー! ありがとー! つっちゃー!」
笹夜「・・・少し疲れました・・・」
時崎「高月さん、ここへ座って」
笹夜「ありがとうございます♪ 時崎さん」

俺は、パラソルの日陰の多い場所へ高月さんを案内した。

心桜「おー! お兄さん、紳士だね〜」
七夏「くすっ☆」

みんなで、七夏ちゃん手作りのお弁当を美味しく頂いた。高月さんは、少しウトウトしている様子だ。

笹夜「・・・・・」
時崎「高月さん?」
笹夜「・・・はい?」
時崎「少し、横になる?」
笹夜「・・・すみません・・・」
時崎「これ、使って!」

俺は、バスタオルを高月さんに渡した。七夏ちゃんもタオルを折って枕を作り、笹夜先輩に渡す。

笹夜「ありがとう・・・ございます・・・」
七夏「くすっ☆」
笹夜「・・・・・」

そのまま高月さんは目を閉じた。天美さんが小声で話しかけてきた。

心桜「お兄さん!」
時崎「え!?」
心桜「あたし、もう少し泳いでくるから、笹夜先輩のこと、よろしくねっ!」
時崎「ああ、もちろん!」
心桜「つっちゃー、いこっ!」
七夏「え!? 私も?」
心桜「だって、今日つっちゃーあんまり泳いでないでしょ!?」
七夏「・・・・・」

七夏ちゃんの瞳が綺麗な翠碧色になる。

時崎「七夏ちゃん! 泳いできたら?」
七夏「えっと、いいの?」
時崎「もちろん!」
七夏「ありがとうです☆」
心桜「それじゃ! お兄さん!」
七夏「また後で♪」

天美さんに手を引かれながら七夏ちゃんも海へ掛けてゆく・・・。海で楽しそうに泳いでいる二人と、側で休んでいる高月さんを見守りながら、俺はこれからの事を考える・・・。七夏ちゃんに七色の虹を見せてあげたいと思っても、どうすれば良いのだろうか・・・本物の虹自体がそう滅多に出逢えないから、本物の七色の虹を七夏ちゃんに見せてあげる事は、とても困難な気がしてきた。だったら、他の方法は無いだろうか・・・・・。

笹夜「ん・・・」

高月さんが少し寝返りを打つ・・・パラソルから落ちる影も移動してきており、高月さんの体に夏の強い日差しが当たりそうになっていた。
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