第十九幕:夏の海に弾む虹
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アを渡した事が影響しているのだろう。七夏ちゃんは嬉しい事があった時、無言で行動に表すのではないかなと思ったりしたが、まだ確証はなくこれは可能性のひとつに過ぎない。俺は遠くを眺めている無言の七夏ちゃんの視線を追いかける。天美さんと高月さんは、まだ泳ぐ練習を続けているようだ。
心桜「笹夜先輩、随分飲み込みが早いっ! 驚きだよ!」
笹夜「ありがとう。心桜さんが教えるの上手だからかしら?」
心桜「あはは! 笹夜先輩にそう言われるとちょっと照れるよ」
笹夜「心桜さんが照れるのは、初めて見るかしら?」
心桜「笹夜先輩! 一通り泳げるようになったら、つっちゃーに潜行も教えてもらったら?」
笹夜「潜行?」
心桜「っそ! 素もぐり・・・かな? 泳ぎはあたしの方が得意だけど、潜行はつっちゃーの方が得意だから」
笹夜「はい☆ 上手く泳げるようになれましたら、七夏ちゃんにお願いしてみます」
心桜「うんうん! ・・・海の中も綺麗だよー」
笹夜「そう言えば? 七夏ちゃんは?」
心桜「ん? あっちに居るみたいだよ」
笹夜「あら、いつの間に・・・」
心桜「笹夜先輩! あたしたちも、つっちゃーや、お兄さんの所に戻りますか?」
笹夜「いえ、私はもう少しこのままで・・・」
心桜「!? ・・・笹夜先輩!?」
笹夜「・・・七夏ちゃん・・・『初恋双葉』みたいですから・・・」
心桜「初恋双葉!?」
笹夜「ええ♪ 初恋双葉。大切に応援して、育てて実れば、七夏ちゃんなら、私たちにも幸せをお裾分けしてくれると思います!」
心桜「・・・そっか、あたしたちが大切に見守って育ててあげるって事か!」
笹夜「はい♪」
心桜「いいなぁ〜。そういう考え方。笹夜先輩らしい〜」
笹夜「そ、そうかしら?」
心桜「じゃ、そろそろ・・・その浮き輪をあたしに貸して? ちょっと疲れちゃった・・・」
笹夜「え!? えぇ!?」
心桜「笹夜先輩! もう十分泳げてますから、浮き輪無くても大丈夫だよ!」
笹夜「そ、そうでしょうか・・・まだ不安です」
心桜「あたしがちゃんと笹夜先輩を見てるから、頑張って!」
笹夜「・・・はい。お手柔らかにお願いします」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
七夏「あっ!」
突然、七夏ちゃんが声を上げる。
時崎「七夏ちゃん、どおしたの?」
七夏「笹夜先輩が、浮き輪無しで泳いでます!」
時崎「おっ! 本当だ。逆に天美さんが浮き輪を付けてる・・・一体どういう事だ!?」
七夏「柚樹さん、今の笹夜先輩と、ここちゃーの写真・・・お願いできますか?」
時崎「え!? あ、ああ。勿論!」
俺は、遠くで泳ぐ天美さんと高月さんを、ズームしながらファインダー内に収め、シャッターを切った。
七夏「ありがとうございます! 柚樹さん!」
時崎「七夏
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