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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
万聖節前夜祭 5
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これほどの威力だったんだな……」
「年に一回の演習で動かすのとはくらべものにならないな!」
穴から落ちてくる大小無数の動的霊災の大半は真下で修法をおこなう宮地の火界咒で焼き祓われるのだが、そこからこぼれ落ちて逃れたものや、他所から侵入してくる霊災を相手に稼動護摩壇が大活躍していた。
観察者の見鬼能力を上昇させるヴィルーパークシャシステム搭載。隠形を見破り、対象の五気に応じて相剋効果のある五行砲が撃ち込まれる。さらに梵字の刻まれた破魔の弾丸が装填された機銃が弾幕を張り、霊災をよせつけない。
それでも弾幕をかいくぐり肉薄してくる霊災もまれにいたが――。
巨人のふるったドラム缶のような棍棒が可動護摩壇を打ちすえ、壇上の炎を震わす。内部にも衝撃が伝わったが、わずかに揺れたのみ。
インパクトの瞬間、可動護摩壇の装甲に梵字が浮かび上がり、打撃のほとんどを吸収・無効化してしまった。なにからも害されず、どのような難からもまぬがれるという摩利支天をあらわす種字梵字だ。
「さすがヴリティホーマだ、なんともないぜ!」
決死の覚悟で一矢報いた巨人であったが、至近距離からの機銃掃射で全身を穿たれ、ラグをまき散らしながら消滅した。
一発で四〇人分の給食費をまかなえる値段のする砲弾を惜しげもなく撃ちまくる車両がある一方、極力発砲せず、竜を模した衝角や巨大な外輪で動的霊災を踏みつぶしてまわる車両も存在した。
といっても国民の血税を浪費することをためらったわけではない。操縦者の嗜虐趣味のためだった。
「ひゃっはー! 霊災がゴミのようだ」
「逃げるやつは霊災だ、逃げないやつは訓練された霊災だ。相手が霊災なら人間じゃないんだ。やっちまえ!」
「圧倒的じゃないか、おれたち陰陽師は」
逃げ惑う霊災たちにパラボナアンテナ型の照射機から五芒星をかたどった光が放たれ、その動きを止めた。不動金縛り効果のあるペンタグラムメーサー光線だ。機銃掃射にさらされ、たちまちラグまみれになる。
この場に姿をあらわした霊災は一体残らず修祓されている。
五行砲で粉みじんになるもの、機銃により蜂の巣にされるもの、衝角に貫かれるもの、外輪に押し潰されるもの、護摩壇からの火炎放射に焼かれるもの――。
血肉が飛ぶわけでも臓物がまかれるわけでもない、死骸も残らない。ただラグが生じて次の瞬間消え去るのみ。
劫火の渦巻く中で掃討戦が繰り広げられる。その様はまるで戦場だった。血の臭いがまったくしない、異様な戦場。
太平洋戦争末期、土御門夜光は軍部の要請で呪術兵器と呼べる軍用式を何種類か開発したという。オイルと鋼鉄の血肉によって構成され、物理的な攻撃に強い耐性を持ち、口から吐く糸で対象の霊気を奪取する装甲鬼兵『土蜘蛛』などがその代表で、これらは敗戦後GHQの
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