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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
万聖節前夜祭 5
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が、他にも大国主命は鼠、摩利支天は猪、妙見菩薩は亀、金毘羅大権現は蟹などなど……。多種多様な神使が存在する。
 そして不動明王の神使は鶏だ。青森県黒石市の中野神社など、不動明王を主に祀る寺社では鳥居の前に狛犬の代わりに狛鶏が置かれているという場所も多い。

「ケェェェ――――ッ」

 秋芳のことを異物と判断したのか、炎の巨鶏は鶏冠を逆立てて襲いかかってきた。

「タニヤタ・ウダカダイバナ・エンケイエンケイ・ソワカ!」

 龍策印を結印し水天の真言を唱えると、秋芳の周囲に無数の水の槍が出現し、炎鶏を打ち貫いて、消し祓った。

「なんだか『ミクロの決死圏』みたいだな」

 秋芳は古いSF映画の題名を口にした。人間を極小化する技術が開発された世界が舞台の映画で、小さくなった人間が人体に直接入り、体内から治療をするという内容だ。
 その映画の中で血管を移動中の主人公たちが白血球に襲われるシーンを思い出したのだ。
 霊脈はある意味世界の血管といえなくはない。
 もしこの場に笑狸がいたら『アマラ深界のワープゾーンみたい』というゲームっ子じみた感想が聞けただろう。
 秋芳は火界咒に飲み込まれる寸前で地上への帰還をはたした。





 新宿都庁ビルを中心とした一画は真紅に染まっていた。
 火炎と黒煙がごうごうと音を立てて渦を巻き、気流は上昇し熱風が天を衝く。
 もしこれが本物の炎であったなら、生身の人間ならば一〇分と持たないことだろう。熱気で肺を焼かれるか、燃焼による酸欠で窒息するかだ。
 だが今現在都庁を朱に染めているのは現実の炎ではない。火界咒による、呪術によるかりそめの炎だ。
 霊災のみを燃やし熱すよう、多少の加減はできる。
 都庁のツインタワーにはさまれた空間にぽっかりと空いた穴から無数の動的霊災がわいてくる。それを宮地の生みだした浄化の炎が修祓していた。
 あるときは炎の竜、あるときは八つ首の大蛇、あるときは雄々しい獅子、あるときは猛々しい虎、あるときは山のような巨人、あるときは鳳凰、あるときは無数の軍勢――。
 この世の者とは思えない不動明王の眷属たちが現世に顕現し、魑魅魍魎を焼き払うかのようだった。並の陰陽師ならばその炎そのものに畏怖の念を抱いたであろう。
 これこそが一切の魔軍を焼き尽くし、三千世界を焦土と化すという不動明王の火界咒なのだ。ありとあらゆる災厄や煩悩、魑魅魍魎をただ火でもって焼き払う、至純の呪。
 それが火界咒だ。
 そしてさらに――。

「寅の方向に霊災発見。土気の偏向あり」
「木行弾装填、撃てぇーっ!」

 可動護摩壇ヴリティホーマからの砲撃をまともにくらった霊災はラグが生じる間もなく粉々に砕け散って消滅した。

「霊災修祓確認。やったぞ!」
「実弾てやつは
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