179部分:TURN18 ガメリカ共和国その一
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今度はアメリカの実情を話した。
「即ち財閥がな」
「特に四姉妹ですね」
「四人の長官達の実家が」
「資本家が共有主義を許す筈がない」
「そうですね。私有財産どころか貨幣経済さえ否定していますから」
「共有主義だけは許しません」
ガメリカの国是に反するだけではなかった。共有主義は財閥の全否定である。だからこそ四姉妹もだ。共有主義のソビエトを許さないというのだ。
そしてだ。ガメリカがソビエトを敵視する理由は他にもあった。それは。
「アラスカはソビエトの最前線だからな」
「かつてロシア時代はロシア領でしたし」
「その関係もありますね」
「彼等の祖国であるアメリカ自体もロシアとは仲が悪い」
このこともあった。ガメリカとソビエトの対立の背景にはだ。
「ロシアは我が祖国殿や中国とも仲が悪いがな」
「原始の八国同士であってもですね」
「それでも」
「国家同士でも相性があるのだ」
人間同士がそうである様にだ。国家同士でもそれがあるというのだ。
「ガメリカはソビエトを潰す為なら何でもする」
「だからこそ我々に足枷をしたうえでソビエトにぶつけるのですか」
「そう考えてもいるのですか」
「日本帝国もソビエトとは戦わなくてはならんだろう」
宇垣は将来の展望をそう見ていた。
「どのみち降りかかる火の粉だ。払わねばな」
「しかしそれは手駒ではなくですね」
「しかも我が国の権益を守り足枷はつけさせない」
「そうしなければなりませんね」
「そうだ。ガメリカの思惑に乗るととんでもないことになる」
あくまでも祖国への愛国心、そして国益を念頭に置いてだ。宇垣は言った。
「ここは断じてだ」
「彼等の要求をつっぱねますか」
「そうされるのですね」
「帝にはそう進言する」
決意もしていた。そうすると。
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