46話 サイアム・ビストの最期
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た。それに2人とも膝をついた。
「くっ!」
「うっ!」
2人とも嗚咽を漏らす。そしてサイアムは断言した。
「あるのだよ。ある地位まで上り詰めては実行に移し、現在がある。実現させたものに権限がない?可笑しな話だ」
しかしそのプレッシャーをサイアムは早くも解いた。2人共体が自由になり、不思議な顔をして見合った。そしてジュドーがサイアムに話し掛けた。
「・・・なぜ?」
サイアムはため息を付き、ジュドーに答えた。
「お前らがどうしようとも余り問題ではないのだよ。私は既に物語の観覧席に座っているのだ。それを見届けて終いな存在。ただ、誰も知るものがいないのも面白くはないのでな」
ハマーンが腕を組む。
「だから私らをここに呼んだのか」
サイアムは無言で頷く。その回答にジュドーが頭を掻きむしる。
「ええーい!この老人が諸悪の根源だと言うのに倒せやしない。そしてそいつ自身がオレらを始末しようともしない。どうすればいいんだ!!」
ジュドーの動揺にハマーンが宥めた。
「落ち着けジュドー、それがあの老人の思う所なんだ。見ろあの顔を」
ハマーンが指差すサイアムの表情が少し綻んでいた。ジュドーがグッと堪えた。
そしてジュドーが辺りを見回すと一つ奇妙なケースを見つけた。そこには大柄な男が横たわっていた。
それにジュドーが近づくと息を呑んだ。
「こ・・これは!ギレン・ザビ!」
ジュドーの声にハマーンも反応し、ケースに近寄る。
「確かにな・・・。どういうことだ?」
ハマーンはそれをサイアムに尋ねた。サイアムはゆっくりと質問形式で答えた。
「人の死は何だと思うか?」
ハマーンは首を傾げた。
「人の死?・・・まあ、医学的には生命活動の停止だな。内臓が機能しない、脳が機能しないなどだ」
サイアムは首を振る。
「何故、生命が地に足を付いて活動できるかと言う話だ。それは多角的に身体の部分を互いに補っているからだ。それは補完しながらという話だが、それぞれが独立した生命維持ではない」
ハマーンは手を広げた。
「独立した生命維持ねえ・・・、お手上げだ。何が言いたいか夢想ごとの様な気がして私の範疇でない気がする」
サイアムはハマーンはとても勘が鋭いと察した。
「老人にジョークをいうもんじゃない。言いたいことがわかるだろう?」
「・・・何となくな」
ジュドーが2人のやり取りに複雑な顔をした。
「なんなんだ、一体!」
ジュドーがハマーンに詰め寄る。ハマーンは手でジュドーを払う。
「落ち着け。この老人はいわばサイコミュの話をしたいみたいだ」
「サイコミュ?なんで!」
サイアムはやはり鋭いとハマーンを胸
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