ペルソナ3
1884話
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」
その言葉に、桐条と俺は改めてメニューを見る。
そこに書かれている説明によれば、使われている小麦粉からだし汁に使っている乾物、それ以外の具材も殆ど全てが普通に出されているメニューよりも1段高級な具材を使っているというものだった。
当然スペシャルと名前の付くようなお好み焼きだけに、他のメニューより値段は高い。
もっとも、高いには高いのだが、それでも他のメニューの倍もする訳ではないので、常識範囲内なのだろうが。
「ふむ、では私はそのスペシャルにしよう」
「かしこまりました。もう少々お待ち下さい」
そう言い、店員は去っていく。
「楽しみだな。この匂いは食欲を刺激する」
「そうだな。ソースの焦げる匂いってのは、何でこうもいい匂いがするのやら」
そんな風に数分程話していると、やがてカウンター席の向こうで準備が出来たのだろう。
何人かの店員が材料の入ったボウルをかき混ぜ始めた。
桐条の前に1人、俺の前には2人。
俺が頼んだメニューに比べると人数が少ないのだが、その理由を尋ねると一気に全てを作ってしまうと見た目で食欲が落ちるからという理由らしい。
その気持ちは理解出来る。
幾ら腹が減っていても、お好み焼きが大量に並んでいるのでは見ただけで腹が一杯になってしまってもおかしくはないだろう。
だが、それはあくまでも普通の場合だ。
お好み焼きを焼くのは何気に時間が掛かるだけに、出来れば一気に焼いて欲しい。
そう告げると、店員は本当に大丈夫かと聞きながらも、こちらのリクエストに応じてくれた。
どうやらこの店はキャベツを千切りにするのではなくみじん切りにするらしい。
そのみじん切りにされたキャベツと生地、それ以外の具が色々と混ざったものが鉄板の上に流し込まれ、ジュアァッ、という音が聞こえてきた。
「おお!」
いかにも食欲を刺激する音に、桐条の口から感嘆の声が漏れる。
店員も、桐条のような美人に驚かれるというのは気分がいいのか、若干得意そうな表情を浮かべていた。
ちなみに桐条の方はスペシャルということで、生地にエビやイカといった具材が入っている。
肉は、生地の上に乗せて焼くらしい。
俺の方は最初に豚玉とイカ玉なので、そこまで特別って訳じゃないが……それでもやっぱり、いい匂いが周囲に漂っているのは間違いなかった。
「今度寮の皆を連れてきてやりたいな」
「別にいいんじゃないか? 焼肉の時みたいな感じで」
「……出来れば、アルマー達も一緒にいてくれれば嬉しいのだがな」
そう言い、少しだけ憂鬱そうな表情を浮かべているのは、やはり俺と順平の関係を気にしてのものだろう。
「そう言えば、この前授業で……」
折角こうしてお好み焼きを食べているのに暗
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