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ルヴァフォース・エトランゼ 魔術の国の異邦人
シーホーク騒乱 1
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び声をあげて疾駆する者がいた。
 グレン=レーダスだ。
 パンを口にくわえながらの全力疾走で叫んでいるのだから器用なことである。

「つーか、なんで休校日にわざわざ授業なぞやんなきゃならんのだ!? だから働きたくなかったんだよっ! ええい、無職万歳!」

 学院の教授や講師たちはそろって帝都オルランドでおこなわれる魔術学会に出席する。それに合わせて学院は休校になるのだが、グレンの担当クラスだけ例外だった。
 彼の前任講師だったヒューイがある日、突然失踪してしまったことで生じた空白期間にくわえ、グレン自身の最初のやる気のない講義内容のため、彼の担当する二年二組のクラスだけ授業の進行が遅れていた。
 そのためその穴を埋める形で休校中にも授業が入っているのだ。
 グレンは居候先の屋敷から学院まで道のりをひたすら駆けて表通りを突っ切り、いくつかの裏通りを抜けてショートカットし、ふたたび表通りに出て学院への目印となるいつもの十字路にたどり着いた時。

「……っ!?」

 異変に気づいて足を止める。





 さて、ここから先グレンの身に降りかかる災難については原作本編にあるとおり。
 授業があることをすっかり忘れてシーホークへとむかったウェンディと、彼女に同行した秋芳。
 これから先は「if」もしもの話がはじまります。

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